ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』な らぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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せっせと日常生活をデジタルカメラに収めるようになって、「どうして」撮るのか、「何を」撮るのかという疑問にぶつかる。 せっかくだから、1冊くらい写真の本を読もうかと、物色したのだが、かたや、えらく高尚な映像論があるかと思うと、かたや大量の撮り方テクニック本。 カメラの本も、ライカがどうのハッセルブラッドがどうのというマニア本が横行する一方、最新カメラ事情的な、数年で古びるような紹介本が陸続と発刊されているようだ。 入門よりは奥深く、哲学的な思惟よりは分かりやすい、できれば、著名な写真家の理念や方法のようなものが、分かりやすく解説されている新書クラスのお手軽な本はないのだろうかと探したが、これといったものは見つからなかった。これなら、毎月読んでいる月刊誌「アサヒカメラ」(朝日新聞社)「日本カメラ」(日本カメラ社)の方が、硬軟取りそろえた論調で、余程楽しいかもしれない。 そこで、長年のファンである荒木経惟の新書二冊に落ち着く。1980年代の雑誌「写真時代」あたりからのファンで、地元図書館にあった写真集や文章本はほどんど読んでいる。
「天才アラーキー 写真ノ方法」(集英社新書)は、酔っぱらいながら放談したことを、そのブロークンな話法そのままに書いてある。その分、ドキュメント性は増すが、本としての濃密さはあまりない。面白いととるか、文章としてやりすぎととるか難しいところ。 彼は、芸術写真に「日付」を積極的に入れた人としても有名だが、あの日付が嘘っぱちであるという話には唸った。確かに、大昔の日付にして、白黒写真にすれば、レトロ写真が出来上がる。日付という虚構を、作品に添付して意味づけるという手のこんだ手法。
「天才になる」(講談社現代新書)は、飯沢耕太郎が聞き手の、インタビュー形式の自叙伝、これまで、吉原の隣町に生まれ、親父が写真好きの下駄屋さんであったことなど、断片的に知っていたことが、統一的にわかって、入門編としてはこちらの方が余程出来がいい。 電通勤務時代、若造ながら、すでに一目置かれていて、電通の写真消耗品使って、自分の芸術写真撮りまくっていた話が楽しい。型破りを承知で、そんな人物も会社には必要と、平気で採用し、養っていた古き良き時代である。高度成長期は、のちバブル経済も生むように問題点も多かったが、こんなところは、余裕があったからこそできた人事。今から考えると、健全な時代だった。 飯沢の質問が、よく荒木を知った上でのものなので鋭く、各々の時期の荒木の感慨を実にうまく引き出している。この本、インタビュアーの功績大である。
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