ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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一年ぶりのさくらももこ。これも、冬休み消灯前の布団内読書。
『憧れのまほうつかい』(新潮社)は、尊敬していた絵本画家エロール・ル・カインの死を契機に、関係者を英国に訪ねる紀行文。その割には、説明を受けながら眠たくなったとか、イギリス土産を買うか買わないかで悩む話などで紙幅を費やし、取材の内容や原作の印象などの肝心なところはほとんど書いていない。それはそれでいつものももこ流だし、それでも微妙に神妙路線の部類なのだが、これだけ現地で配慮してもらって、これでカイン話題が終わりだとしたら、せっかく日本から有名漫画家が取材に来たと思って熱心にしゃべってくれた人はちょっと拍子抜けだろう。いい本だと思ったが、もう少し、どういうお話が聞けたのか、どういいのか、理屈もつけてほしかった。 『ひとりずもう』(小学館)は、ももこの青春記。前半は彼女流『ヰタ・セクスアリス』といった案配で、小学校・中学時代、奥手で男子嫌いだったことが語られ、中盤、のんべんだらりとした女子校生活が語られる。どうして、この子があのさくらももこになるんだろうと訝って読み進めると、終盤、目標が定まり、家族が反対する中、努力を重ね、デビューを勝ち取るまでの様子が語られる。この部分はちょっと感動的である。やはり、まるちゃんはぐうたらなまま大きくなったのではないのだ。 彼女は「あとがき」で教訓をまとめている。夢があったらやってみて、状況を判断した上で、微調整が必要ならしっかりして、その上で、再度チャレンジするという態度でやっていけばいい。キメキメにして、失敗したらもう終わりではダメだというメーセージ。彼女のデビューまでの試行錯誤がその通りなので、読者はすっと心に入り納得する。いい話である。 『ももこタイムス』(集英社)は女性雑誌「MORE」に連載した壁新聞形式のエッセイと雑記。国内外への旅行、買い物や企画の予告などが、今のももこを報告する形で進む。この前、カレーショップで、大橋歩が発行している私的報告色濃厚な個人誌をパラパラと読んだが、落ち着き具合は全然違うが、作者と読者を結んで「私」をプレゼンする仕掛けとしてはよく似ている。 気になったのは、『さくら日和』(集英社)でも感じたのだが、編集者をダシにして、パーティやお見合いを仕組んだりしていることで、それで記事を書いている。つまり、マッチポンプ化している。おふざけが楽しくてしかたがないのならいいが、ネタづくりのためという気持ちが全面に意識された途端、虚しいことになる。 それともう一つ、そんなパーティが高級ホテルで無料招待だったり、宝石に詳しくなったり、ライカが好きになったり、美術品をたびたび「お買いあげ」になったり、高級料亭吉兆でお節料理を頼んだり、バリ島でエステ三昧をしたりなどなど、ちょっと庶民感覚とずれてきたように感じた。どうやら、ちびまるこは大人になってお金持ちになってしまったようなのである。
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