ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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センター試験の「問一 評論」は、俳句に造詣の深い尊敬すべき評論家、山本健吉の竜安寺の石庭論でした。志賀直哉の文章を紹介し、この庭が創建当時と変わらないと志賀は評価しているが、それは不変を指向する西洋的発想であり、緊張感を与えるこの庭は日本では例外的なものであるという論旨の文章。結構、昔の文章で、小説も含め問題文の選択はきわめてオーソドックスでした。それはまるで、近年の政治の保守傾向に合わせているのではないかと思えるほどです。 一昨年、小説の出題を当てたと書きましたが、実は、今年も当てました(!?)。今度は評論。 十一月に、韓国人が書いた竜安寺の石庭否定論を、私の担当したクラスの定期テストとして出しています。その時、「竜安寺の石庭というのはね。」と色々説明した覚えがあります。こっちは問題集からのアレンジ。センター試験は既製のものとかぶらないよう調査するはずですから、まったく同じものが出ることはまずありません。今回のように、類題が出ただけでも、我々としては大当たりの部類です。偶然といえば偶然ですが、個人的にはうれしいことでした。 でも、これには多少のからくりがあります。国語教員は、出来るだけ、色々な分野の問題を網羅的に出そうとします。その年やっている業者問題集に経済論が少ないと思えば、他の問題集から経済論を持ってきます。そうして、その分野の基礎知識の解説をします。その結果、たいだいの分野を網羅するのです。ですから、なんらかの形で当たる確率が高くなるのです。 それでも、やっぱり、「やったー!」という気分はちょっとあって、自宅で、こっそり乾杯しました。こんなこと、誰も褒めてはくれませんが……。 三年が、センター試験でウンウン唸っていた頃、一年は「進研模試」でした。昨日、その問題を見たところ、哲学者の名前が羅列される難解な文章でした。これは、おそらく受験生でも取っつきにくい。 最近、進研模試は標準的すぎるという批判があって、今回、妙に気張った問題を出したのでしょうが、これでは、逆に、現代文嫌いを増やす結果になります。ちょっと極端な気がします。 地理の先生が、今年のセンター試験、なんだか、業者の模試のような、こんな設問出来なくてもいいというような穴ねらいの設問が混ざっていると嘆いていました。もっとしっかりした、その教科の基礎認識が押さえられているものを問うてほしいとのことでした。 そんなこんなで、なんだか、試験というものが、世の中の風潮や業者の都合に振り回されているような気がしました。もっと、勉強には落ち着きが必要なのではないでしょうか。
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