ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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この冬、二つの美術展を見た。一つは、石川県立美術館にて、金沢で生まれ、京都で活躍した日本画家石川義(ただし)の回顧展。ほとんどが全国各地で写生した作品で、説明板に写生地が明記されているのが通常の展覧会と違っている。現地での下絵には日付、時刻、色の記録などの情報が記入されており、描いている作家の様子が彷彿とされた。構図的には、日本画特有の省略の美を効かしているものも多いが、あくまでも、その土地土地で凝視した風景の表現、具象画の世界である。 体を後に引いて大判の絵を眺めると、一枚一枚に基調となる色があることに気づく。全体に赤っぽいもの、緑っぽいもの。そのモチーフを描くのに、どんなトーンを選ぶのか。美術家はまずそこから絵のイメージをスタートするのかもしなれない。空間構成も手堅い。大ベテランらしい絵柄で、素直にいい絵だと感じる作品が並び、心落ち着く展覧会だった。 もう一つは、金沢二十一世紀美術館の「リアル・ユートピア展」なる四人展。 イ・ブルは、サイバー系アニメの発想を現代アートに仕立てた感じ。草間弥生・木村太郎は、ギミックの楽しさが命の作品で、それぞれ面白かった。ただ、故岸本清子のものは、漫画チックな長尺な絵画で、戦前(昭和十四年)生まれ世代として、当時は斬新な表現だったのだろうが、今や高校美術部部員の半数は、こうしたアニメもどきの絵を描く。高文連美術部展や高校の文化祭でよく見かける絵柄の大作版というイメージしか受けず、もう乗り超えられた作品と理解した。展全体として、作品量が少なく、あっけなかったというのが正直なところ。 しかし、再訪となる「コレクションU」展、これも再訪となる奈良美智の大きな女の子の頭がついた家の展示や別棟の公開アトリエ、小部屋一室ながら楽しめた開田裕治展などの併設展や、ミュージアムショップを見てまわると、充分に楽しく満足感を得ることが出来た。幾つもの企画が同時並行で実施されている複合型美術館ならでは愉しみである。(つづく)
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