ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2日、県立音楽堂邦楽ホールにて、上記バロックコンサートを聴いた。オールバロックプログラムは久しぶりである。バロック振りの延原武春の指揮、オケはオーケストラアンサンブル金沢(OEK)のピックアップメンバー。 もっとバロック音楽に親しんでもらうというコンサートの趣旨が隅々まで行き届き、私のような門外漢も本当に楽しく聴くことができた。歌の時には左右に電光掲示板字幕スーパーがつくという親切さ。延原の指揮も、表情豊かな手さばきで、観ていて飽きなかった。 彼は、その都度、作曲家や曲について解説をしてくれた。その大阪弁のおしゃべりは大変面白く、且つためになった。邦楽ホールにあまた下がっている提灯に触れ、「バロックは日本では元禄時代にあたる。日本の町民が音楽やお芝居で愉しんでいたように、当時のヨーロッパでは貴族がこんな音楽を聴いて愉しんでいたのですよ。」という説明は、バロック音楽の性格の一端をよく言い当てていて、我々観客の堅苦しい気持ちをさっと取り除いてくれた。 今回、有名な曲ばかりだったが、生で聴くのは初めて。色々な発見があった。 例えば、一曲目、ヘンデルの「水上の音楽」は、所々にイギリス色の強い旋律が混ざることに気づいた。イギリスに渡り、熱狂的に受け入れられ、市民権まで得た人ならではのご当地への「くすぐり」も入っているのかと思ったが、素人考え、正確なことは判らない。 第一組曲は、十人ほどの編成、第二組曲は、トランペットなどが入り二十人ほどの編成に拡大する。合奏風の曲調が華やかで、これまでBGMとして聴いている時には、全体を漠然と捉えていただけだったが、生で聴くと、各々のパートの動きがはっきり判り、それが私でもよく理解できる動きをしているので聴いていて楽しかった。 クラシックは好きな作曲家だけつまみ食いしているような私のレベルでは、どう聴けばいいのか判らず、仕事の疲れも手伝って、眠たくなるのではないかと心配していたので、ああ、判る判る、楽しくウキウキした音楽だと、この曲一曲で、ひどく安心した。 二曲目は、バッハ「バイオリン協奏曲第二番」。十人程の小編成。ソロは西沢和江(金沢出身・ロン=ティボー国際コンクール三位)。愛らしいメロディが何度も何度も繰り返され、ますます楽しくなってくる。ただ、彼女のソロは堅実な現代的演奏だったが、少々地味で、もっと華がほしかったように思う。 三曲目は、バッハ「カンタータ第一四七番」。ソプラノからバスまで独唱を中心に短い曲が続き、最後、コラール合唱(OEK合唱団ピックアップメンバー二十人ほど)に至る。これは、「主よ、人の望みの喜びよ」で、その有名旋律に、ゆったりと合唱の旋律が入るところが特に素晴らしく、引き込まれた。 ラストのアンコールは「G線上のアリア」。本当に初心者に至れり尽くせりの選曲であった。 小編成ゆえ、力強さはないが、客席右最前列で聴いていたこともあり、眼前のチェロ1、コントラバス1の最小編成が、かえって楽器本来の音を響かせて、大編成にはない魅力を感じた。 大人二千円、子供千円という値段設定も実に教育的良心的。心から楽しめた音楽会であった。
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