ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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都合により、しばらくこの日記はお休みします。
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11月の雷鳴を、鰤の季節到来ということで、北陸では「鰤おこし」と呼ぶ。この地方特有の言い方で、言葉として素敵である。以後、曇天が長く続く冬に入る。 冬の暗さはこちら特有の風土で、仕方がないが、それでも年によって、思ったより短かったり、時折、小休止があったりと、年々で違う。気持ちの負担にならない年も稀にある。そんな年であれかしと思いながら雨の止んだ外を見る。
天の原覆う鉛のキャンバスをべりべり破り青き空見む
宗達の雷神の腹メタボにて布袋を誘いアスレチックせよ
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ひょんなことから、医療関連会社が病院の医師に出した書類を見た。横書きのビジネス文書。 左上の宛名に、「○○病院○○科部長 ○△×□ 先生 御侍史」とあってびっくり。「先生」の後に、ご丁寧に、今ではほとんど使われなくなった古めかしい脇付が使われている。 この「御侍史」、本人に直接は失礼だから、侍従に手紙を送るから受け取って頂きたいというのが本来の意味。だから、縦書きの封書の表書き、名前の横下に少し小さい字で添えるなどというのが本来の使い方。横書き書類の左上、つまり文書の冒頭行に、脇でもなく、且つ同じポイント活字で 堂々と書かれると、まったくもって秘書さん宛の文書になってしまうように読める。こんな書き方、初めて見た気がする。 ところが、調べると、医療業界ではこう書くのは常識になっているようであった。医師を敬う挙げ句、こんな端から見ると、ちょっと違和感のある業界慣例がまかり通ってしまっているというところなのだろう。 この頃、若者は何の考えもなく、ゴテゴテと「過剰敬語」を使うけれど、インテリ業界の人たちもあんまりお上品とはいえないなあとちょっと思ってしまったのだが……。
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午後、市内の武道館で練習を見る。日中、短時間だが黒雲垂れ込め、ざっと一雨降る。その後、冷え込んで、いよいよ冬到来という感じであった。車のラジオで今日が立冬と知る。
天向かい実弾こめよ冬立つ日
弓がライフルになってますが……(汗)。
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今回の外出は、愚妻誕生日お祝い企画として、柿木畠もっきりやにてライブを聴くのがメイン。夜七時スタートで、安井さち子トリオを聴く。チャリート以来、二年ぶりのライブハウスである。大隅寿男がドラムスで参加しており、一度、彼の生を聴いてみたいと思っていた。 御大は、現在、六十四歳。数年前、南里文雄賞を受賞しているベテラン。オーソドックスな奏法で、決して先進的ではないが、技を多く持っており、曲に合わせソロにも変化をつけ、ドラムソロにありがちな単調さを微塵も感じさせなかった。 ベースは金子健。音圧は強くないが、丁寧でまとまったソロを聴かせた。なかなかの歌わせぶりであった。 主役の安井は、今年、CDがスイングジャーナルのメイン紹介欄に取り上げられるなど、現在売り出し中の女流ピアニスト。初めて聴く。 エバンス流かと思っていたら「ブルーモンク」のブルース系、「ウォーターメロンマン」のファンキー系など、違和感のないブルースフィーリングが好ましい。クラシック臭かったり、音を散らした感じのソロをとる日本人女流ピアニストが多い中、ちゃんと根っこがある。これは好きなタイプだと、安心して聴くことが出来た。 選曲は、「波」「枯葉」などお馴染み曲のオンパレード。甘い映画音楽「ひまわり」も披露した。自作曲は緩急の二曲のみ。テンポのある方の曲は、どこかで聴いたことのあるフレーズを組み合わせたような曲想で判りやすかった。全体として、観客のニーズをよく知ったいい選曲だったと思う。 彼女は時々腰を浮かせ、パワーをかけてバリバリ弾く。華奢な体から想像出来ない逞しさ。客も静かなノリの良さで演奏をサポート。いい感じの二時間だった。
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先の連休の午後、バスにて繁華街に出向き、新装なった「四高記念館」を見学する。以前は全館「石川近代文学館」の扱いで、その一室が記念室だったが、建物を半分に割り、左ウイング、公園入口側が記念館となった。横腹に出入り口を作り、正面玄関奥、公園側にガラス張りのエレベーター部分が新設されている。赤い煉瓦造りとは不釣り合いだが、公共施設に義務づけられているバリアフリー化の一環だろう。致し方ない。 展示で興味を持ったのがジオラマ。当時の校舎の全容を知る。市内中心部の広大な敷地、各棟甍を並べ、少ない生徒で贅沢な環境であったことに驚く。 先週の繁華街行きは、車で出かけたので、用事が終わったらそそくさと帰ったが、今回は駐車料金を気にせず、ゆっくり街を散策した。 竪町通りを新竪町まで突っ切ったのも久しぶり。所々に昔の商店があるものの、全体としてそれらは取り残された感じで、今やお洒落な若者の街となっている。枝道があるので、それで、この角は、昔、○○屋さんだったところだとか、かろうじて判る。そんな風に、若い頃の記憶と重ねながら街を眺めている自分を感じて、やはり、少々歳をとったなと思った。 昔の大人も当時の街をこうした目で眺めていたのだろうか。 「香林坊109」にしろ、今の繁華街はおっさんになった自分に関係のないお店ばかりで、街に出ても居場所がない。
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数ヶ月前、よく通る道のアパートで殺人事件があった。現在も、未解決。 先々月には、友人の住まいせる地区の秋祭りで、露天商の一人が刃物を振り回して人を殺す事件もあった。 その友人と話をした折り、私が何気なく「日本人の学力低下が著しい」と述べると、彼は間髪を入れず「道徳心も地に落ちている。」と力説した。やはり、この事件のことが念頭にあるのだろうと私はすぐに察したが、それ以上、深く聞きはしなかった。 身近に「物騒」が近寄ってきている。 先夜、いつものように病院に行くと、ナースセンター窓口に貼り紙が……。不審者が院内に出入りしているとのこと。不特定多数が出入りする病院、どうして不審者だと判るのだろうと読み進めると、なんと、医師と看護師に化けているとのこと。貼り紙は、胸にIDカードのあるものが正規職員ですと注意を呼びかけていた。 いったい、なんの目的だろう。不気味である。 私の仕事でも、最近はIDカードを首からぶら下げる。煩わしいし、特定の者を相手にしている商売なので、私自身、これまで意識が高いとは言えなかったが、身近にこんなことが起こるようでは、今や必要不可欠なツールとなっていると観念せざるを得ない。 「俺たちが若い頃、日本がこんなになるなんて思いもよらなかったよな。」と彼は嘆いたが、そうだねとこちらも長嘆息するほかなかった。
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先の休日、インクブレンダーの石丸さんが地元百貨店に来られているということで、半年ぶりに新色を作ってもらうことにした。 街に出るのは久しぶりで、中央公園の木々が色づいて、平地に紅葉が降りてきている。町中心部で知るというのが、ちょっと情けない。 会場は、文具売り場ではなくて、別階のギャラリースペース。ゆったりとした場所で店開きをされていた。前回同様、希望を聞きながら、こちらの好みの色に合わせてくれる。 今回は、文字を書いても問題のない赤色というコンセプトで、臙脂色をお願いした。「透明感がある色」と注文しておきながら、後で「止めはねがはっきり残る色」と追加要望したので、すんなりいかず、紆余曲折の末、ようやく納得できる色合いが出来た。 インクの色は、乾いて数日たったら変色し、最初の色と微妙に違うということがあるので、今回、その辺りが気になって迷った。なかなかそこまで読むのは素人には難しい。 インクとは面白いもので、全然、色の世界と関係ない私のような者でも、はっきり自分の好みがある。ペリカンのロイヤルブルーは好きだが、同じペリカンでもブルーブラックは嫌い、ブルーブラックならパイロット色彩雫「月夜」のほうがずっといいなどと断言できてしまう。はっきりしない性格の部類の私にしては珍しいことで、おそらく何種類もインクを使うようになって、色に対する好みを、自分自身が自然に育てていたということがあったのかもしれない。 調合中、二月に主計町のギャラリーでも作ってもらった旨を話すと、話は自然に先の洪水の話になる。石丸氏は、あの辺りが水浸しになったことをよくご存じで、氏の周辺でも、一時期、大きな話題だったという。隣でお仕事中の蒔絵師田村一舟氏も交え、少し世間話を交わした。 ところが、あるまいことか、帰宅後、愚妻がネットで、パイロット「色彩雫」シリーズに赤系四色が新発売されるという情報を見つけてしまう。特に、そのうちの一色「山葡萄」は、このインクの色合いとそっくりだったので、ちょっとショックを受けたが、じっくり紙に書いて乾かしてみると、地味な中に色気の漂う色で、止めの濃淡がちゃんと出ていて、ちゃんと自分オリジナルの色になっていた。 ここ一週間、加藤製作所のセルロイド万年筆に入れて手帳書きに使用中。愚妻の評判もよく、お気に入りのインクになっている。
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お願い
この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
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