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ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。

 内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。

 

・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。

 

エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」
           
http://hiyorigeta.exblog.jp/

 2009年12月31日
  年の終わりに(今年総括4)

 早いもので父が亡くなって一年がすぎた。今年前半は名義変更などの法律上の後処理や今後の家族の動きを決める決定をし、それが終わると、今度は、墓作り、初盆、一周忌と仏事が続いた。
 我が家は、書類がらみのことは専門家にしてもらったが、同じことを素人でやろうとしても、共稼ぎで日中動ける人がいない家族では、かなり大変なことになると思った。それもこれも一段落。一周忌までは忙しいとはよく言ったものである。
 日々の生活では、ここのところ書いてきたように、六月、車をコンパクトカーに替えたのが一番のトピック。当初、心配したダウンサイジングの不満はほとんどなく、必要充分の車であった。

 

 世の中は不況が続いている。特に石川は落ち込んでいる県の一つらしい。我が家の収入も毎年順調に(?)減り続け、特に今年、ガクンと低下した。今月、調整でそこからまた差っ引く旨の紙切れが入っていたのには参った。共稼ぎだから何とかなるものの、一馬力の家庭はいよいよ大変である。
 この商売をしていて、ご家庭の教育環境が悪化しているのを色々な局面でひしひしと感じた一年でもあった。


 今年の漢字は「新」。新政権、新型インフルエンザに由来するという。「フレッシュ」な年というイメージとはほど遠く、国民は「新」を求めたいという心の表れ・希望事項ということなのだろう。去年、「変(化)」を求め、今年は「新」しく……と、まるで続きもののような展開である。
 さて、今年のマイ漢字。車の他にカメラも新しくしたし、世間様に相乗りして「新」としよう。

 

 外国のインターネットでは、建設的になるよう意見は実名で書くのが原則になっているそうである。私もこの日記を実名で書いている以上、ちょっとは為になる話題や素直な気持ちも書いてきたつもり。
 少しの閲覧者しかいなかった当初と違って、ここところアクセス数が多くなり、それが、こんな堅苦しいサイトなのに何故なのかよく判らず、訝っている。会ったこともない人も多かろうが、私をよく見知っている人で見ている人も多いのではないだろうか。
 だから、最近は、「下手なこと書けないなあ。」というのが正直な感想。お馬鹿な話題だけでなく、本編の文学の話や随筆風な文章も読んでいただきたい。(と言っても、最近、全然いい文章書いてないけど……。)
 アップも、長々放置していて、時々、数日分一挙に作業といった手抜きになっているが、そのあたりもお許しいただきたい

。手帳のメモ書きを、休日にまとめて打ち込んでいるせいである。
 何はともあれ、御閲覧に感謝申し上げ、丑年の終わりの挨拶とします。皆様、よいお年をお迎え下さい。


 

 2009年12月30日
  終わりの見えないお片付け
  一昨日の研修会で仕事が終わり年末休業となった。ぼちぼちとこれまで放っておいた家事をしはじめている。
 若い頃に較べ、一つ一つに時間がかかり、休む時間も多いので、あたいう間に一日がたつ。入院していた時、寝るために枕辺を片付け、よいしょよいしょと洗面所に行き、歯を磨いて、戻ってベッドで一休みして、今度はトイレに行って、横になって、さてと時計を観たら、それだけで一時間かかっていて、驚愕した覚えがある。これは、これまでも何度も触れた話。最高齢になるとこんな感じになるのだとあの時はっきりシミュレーションしたので、今は、テキパキやるレベルからそのレベルに移行しつつある移行期間なのだといった感覚で、いつも自分の動きを見ている。
 父が亡くなって、今年、父の遺物がいろいろ我が家にやってきた。ただでさえ狭小のマンションがそれでもっと狭くなっている。一つ一つ整理していくしかないのだが、何かと時間がかかる。途方に暮れて何もしなくても、さしあたり困る人がいないので、そのままにしている。そうして時間だけが過ぎていく。ここ一年、そんな生活だったような気がする。
 そうこうしていると、いずれどんどん体が動かない年寄りになって、「なぜ、ものを捨てなかったのだろうね、この人は?」みたいな、ゴミ部屋の中で死んでいくのだろうか。愚妻も片付けない人だし……。どうも、鴎外全集以外何もなかった荷風さんとは正反対の死に方になりそうだ。
 一体、どこまで出来るのか。我ながら到達点が見えないまま片付けている。
 今日は穏やかな一日で助かった。明日からは崩れると予報。
 2009年12月29日
  オーストリッチ

 以前仕事で同室だった女性から、数人経由の手渡しルートで、実家の能登名物、手作り干し柿を戴いた。それで、その方と交わした雑談がふと思い出された。
 旦那さんは英語の教師。その娘さんが、英検を受験することになって、家で物の名を覚えていたそうだ。その中に「ダチョウ」というのがあって、彼女の質問に、お父さんはすぐに英語が出てこなかったそうな。
 調べると、答えは、「オーストリッチ」。奥さんはこの言葉を聞いて、ブランドか何かと思っていたことに気づいたという。革のバックなどで聞く言葉なので、如何にも思いそうである。それにしても、ご主人さん、ご商売の方、大丈夫ですかねと、その場の人々は冷やかした。小学生レベルで、結構、マイナーな言葉を出題している。
 それで思い出したことがある。私が高校二年生の時、教科書に「メデタレーニアン」という言葉が出てきて、覚える単語扱いになっていた。かなりマイナーな言葉である。大事な動詞でさえあやふやな我が身にとって、こんな地域限定的な言葉まで覚えなきゃいけないのかと、結構、抵抗を感じながら、無理矢理覚えた記憶がある。
 それから十年近くたって、もう英語の勉強から解放されていた頃、買ったJAZZのレコードの曲に「メデタレーニアン・シースケープ」というのがあった。すぐに頭の中で「地中海の景色」と訳せた自分を発見し、我ながら、あの時、丸覚えしたことが役にたったと、変にうれしかった覚えがある。古い抽斗にものが入っていると、日頃は開けなくても、ちゃんと出てくるものである(若かったら……)。

 この時から五年。小学生だった娘さんも高校生になっている。今は全然使わなくて忘れているかもしれないが、ブランドバック買うようなお歳になる頃には、バッチリこの言葉の意味が蘇っているだろう。
 

 

 2009年12月28日
  NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」を観る

 NHKがここのところ大宣伝をしていた司馬遼太郎原作の連続歴史ドラマ「坂の上の雲」を観はじめた。昨日が五回目で一区切り(第一部)。  
 何とも豪華キャスト。日本の有名テレビ俳優陣総出演の趣きがある。映像は美しく、海外ロケも豊富に交え、戦闘シーンも人海戦術。本当にお金がかかっている。下手な映画顔負けである。おそらく海外に買ってもらうつもりだろうねと愚妻と話をした。
 ただ、軍人や政治家の微妙な腹芸問答など、日本人には納得できても、外国人が観たらどう思うだろう。もしかしたら判らない部分もあるかもしれないし、私たちは気づかないけれど日本人だけに都合のいい台詞や解釈があるかもしれない。
 あれだけ壮大な話を毎回一時間半でやっつけてしまうため、主人公たちはさっさと成長してしまうし、前振りしたばかりの伏線を、次のシーンでさっさと使ってしまったり、特定のシーンだけ活躍する人もいるので、あまり一人ひとりの登場人物に思い入れができず、話だけが進んでいく感じで、どうしても上っ面をなぞっていく感じは否めない。
 しかし、破綻なく明治の各方面の有名人を次から次にと登場させて、ある種、明治オールスター顔見せ興行のようでもあり、そこを楽しめばいいのだろう。この当時、この人とこの人はこういう関係でこう繋がっていたのかというあたり。
 日本の青春期である明治時代のがむしゃらな突き進み具合を観ていて、我が日本の話ながら、まったく別の国、別の人種のように感じられ、日本人の精神構造が大きく変化してきているのだろうと感じた。
 若い頃はもっと明治について知っていたつもりだったが、だいぶ忘れている。高校で日本史をしなかった愚妻の質問に、あれ、どうだったかなと答えられないことが時々あった。高校レベルの質問なのに……。かなり頭が錆びついているようだ。
 放送は、小まとめ的に、時折、司馬の文章がそのままナレーションされ、司馬の作品であることを印象づけているのが手法的に面白い。
 そのコメントを聞きながら、そういえば亡父は司馬の愛読者で、この作品を何度も何度も読んでいたことを思い出した。確か亡くなる前にも再読していたはずである。彼の明治時代像などまったくもってこの小説の受け売りで、その昔、父と歴史の話をしていて、司馬を敵に回して論陣をはっている気分がしたものである。
 続き(第二部)は来年の十二月。撮影快調と出た。誰が考えついたのか、何とも悠長なスパンだが、楽しく待ちたいと思う。

 

 2009年12月27日
  今年の文学話題(今年総括3)
 今年は太宰生誕一〇〇年。書店で特集平置きがあったりして、今年一年大きくPRされていた。
 一九〇九年(明治四十二年)六月生まれ。死んだのが三十八歳の時。芥川龍之介の自殺(三十五歳)に衝撃を受けた人らしく、ちゃんと(?)三十歳代で死んでいる。昔、有名な頬に手を置いた写真の印象から四十歳前半くらいかな思っていた。思ったより若死なのでちょっと意外な気がした。
 以前、職場の図書室で、客寄せ展示として有名作家の死亡年齢表が掲げられていた。グラフになっているので判りやすい。例えば、夏目漱石は四十九歳。五十に届かなかった。
  昨日、代表作「斜陽」の舞台となった小田原市の旧別荘「雄山荘」が全焼した。不審火の疑いが強いという。春には大磯の旧吉田茂邸も放火疑いで全焼するなど、歴史的な建物の出火が続いている。
 ここは、戦時中に太田静子が疎開先として使い、この時の日記が「斜陽」にうまく利用されたことで有名。
 せっかく地元五所川原市が「太宰治生誕百周年記念ホームページ」まで作って顕彰これ努めていたのに、最後の最後になってこのニュースでは、なんともはや、やり切れない話である。
 2009年12月26日
  体のこと(今年総括2)

 若い頃に較べ、ものを聞き取りにくくなったことを実感して、今春、耳鼻科で聴力精密検査を受けた。周波数別に細かく検査された結果、確かに高音が聞き取りにくくなっているという。「病気ではなく老化なので、気にせず明るく生きていきましょう。」というご指導。特に治す医学はないのだろう。

 老眼の方も確実に進行中で、眼鏡をつけたりはずしたりして忙しい。眼鏡店では老眼鏡を勧められた。
 先日、歯がほんの少し欠けた。無理をした意識はまったくなく、ちょっと硬い食べ物を噛んだだけなのに……。自分でも驚いた。「えっ。これだけで?」という気持ち。戦後の永井荷風のようなお年寄り特有の虫喰いだらけの汚れた歯をニッと見せる自分を想像して、結構へこんだ。
 若い頃に較べ、車のブレーキを踏むのがほんの少しだけ遅れてきた自分に気づいているし、パソコンのキーボードも左手のミスタッチが微妙に増えた。常時、腰痛でヨタヨタしているのは相変わらず。
 耳目の性能が落ちてきているせいか、仕事のミスも多くなった。色々な面で精度や活発さが落ちてきているのを実感した一年だった。
 といって、諸々どうしようもない。医者の助言通り気にせず、ただ、能力が落ちているということだけは重々気にして、淡々と生きていくしかない。
 この前の飲み会で、五歳下の女性にこうした話をし、「なぜ貴方にするかといったらね、同席している他の若者と違い、貴方がさしあたり近づいているからなんだけどね。どう、実感している?」と聞いたのだが、「ぜぇんぜん(全然)!」とのことだった。
 それで思った。この歳でこういうのは老けた感慨なのだろうか。それとも、皆、似たり寄ったりで言わないだけなのだろうか。そのあたり、よく判らない。

 

 2009年12月24日
  今年の筆記具(今年総括1)

 文具趣味になって三年。万年筆はペンケースに入れて、必要な時おもむろに取り出し筆記するが、日頃の仕事はザラ紙書きがほとんどで、ボールペン・シャープペンの出番が圧倒的に多い。途端に安プラスチック製品では如何にも残念なので、普段使い用のボールペンやシャープペンのグレード・アップを計ったのが、ここのところの動き。亜米利加クロス社のアポジー・ボールペン、英吉利パーカー社IMのボールペンやシャープペンなどを購入。けれど、一番使いやすかったのは国産プラチナ社「オレーヌ」なる芯が折れにくい普及価格のシャープペンだったりした。
 総じて、見た目は外国製がいいが、筆記具としての性能は国産にしくはないというのが、試行錯誤の末の結論。マニアはみんな知っていることに私も帰着した。マニアはそれを判った上で楽しんでいる。
 以下は、今年、お楽しみとして買った万年筆のご紹介。
 三月、我が誕生日に、モンテベルデのスケルトンタイプの万年筆とローラーボールを購入。これで、ボールペンと合わせお揃い三本差しとなってペリカンのペンケースに仲良く並ぶことになった。外国筆記具としてそんなに高価な物ではないが、透明軸が並ぶとそれなりに美しく、ぼんやりと眺めながら悦にいる。
 愚妻も、初春、共済からの亡父弔慰金を使い、手帳用にペリカン万年筆M320限定グリーンを、秋には、自分の誕生日祝いとして同じくペリカンのブルースケルトンM205を買う。
 五月、昨年に引き続き地元デパートであったセーラーの川口さんによるペンクリニックに出向き、IM万年筆(これも鉄ペンお手頃価格帯)を調整してもらい、いい感じに……。せっかく来たんだからと、パイロット色彩雫の赤系新色「躑躅」を購入。
 秋の出張では、帰りの列車待ちの間に銀座モンブラン・ショップを冷やかし、例の沓型インク(レーシンググリーン)を購入。その足でパイロット本社二階のペンミュージアムを見学したりした。また、この時、せっかく宝くじ当たったのに生活費で消えていくのはあまりに悲しいということで、伊東屋で茶革の二本差しペンケース(「ソメスサドル×パイロット」)を購う。
 初冬、いつもの文具屋さんでラミーの学童用万年筆(「ネックス」)を、愚妻はパイロットの入門ペン「プレラ」を購入。
 以上が今年の我が家の文具話題。こうして並べてみると色々買ったようだが、職場と家置き用が夫婦二人分、計四か所用で、置き場はそれなりに分散する。結局、高いもの買っても心配で使えないので、なくしてもショックを受けないレベルのものばかりが増殖してる感じ。そのあたりいかにも貧乏性。

 

 2009年12月23日
  最近、こんな雑誌買っています

 腰を悪くして以来、書店での立ち読みはきつく、目指す本を購入するとすぐに店を出ることが多くなった。その結果、ゆったり本を選ぶということがなくなった。いい本や雑誌を見つけた時のささやかな喜びは、最近は半減である。以下、最近こんな雑誌を買っていますというご紹介。


「東京人」(二七五号 特集 永井荷風の愉しき孤独)(都市出版)……以前、続けて何冊も買っていた時期もあったが、最近はとんとご無沙汰。地域限定でもネタ切れせず、よくもっている。既に創刊二十五周年という。十一月の出張の際、東京駅の売店で発見、帰りの列車で大まか読んだ。戦後の首都圏生活人としての荷風にスポットが当たっており、永井永光提供の写真や資料に見たことがないものが混じるのが興味深い。雑誌の特集として実に丁寧な編集で、好感が持てる。


「考える人」(新潮社)……季刊誌。特集「活字からウェブへの……」というのが面白そうで購入。巻頭の糸井重里の「ほぼ日」裏話など気軽に読ませる。その他、頁まくれどまくれど実に豪華な執筆陣オンパレードで、慌てて出版社を確認した。社あげての全力投球といったところ。実は、買うまでこういう雑誌があることを知らなかった。既に三十号という。


「オーディオ・ベーシック」五十二号(共同通信社)……昔は「ステレオ」誌をよく購入していたし、数年前にも久しぶりに何号か続けて買った。この雑誌の購入は二度目。おまけのCDがよくて、前回は五十号記念でオーディオチェック用CDがついた。今回は板橋文夫のソロピアノ集がつく。このおまけがなかなか魅力的。ビュジュアルには行かないつもりなので、オーディオ新製品のチェック用に、スイングジャーナルのオーディオ頁と共に大事な情報源である。かといって、最近、オーディオ製品を買ったことはない……。見て楽しむ派?。


「アサヒカメラ」二〇一〇年一月号(朝日新聞出版局) ……新しく買ったカメラ、ペンタックスK−7の「診断室」があったので購入。名物コーナーで、興味あるカメラが俎上にのる時は時々買う。カメラの癖を掴むのに益があるのではとそこだけは熟読した。成る程というところもあったが、悲しい哉、せっかくの分析表やグラフの半数は意味が判らない。文系の悲しさ。ということで、役に立ったかかというと……、微妙。(悲)


「Kー7オーナーズブック」(モーターマガジン社)……同じく新しいカメラのムック本。取り扱い説明書と、結局は同じことが書いてあるのだが、こういう設定したらこういう画になるということがカラー写真で判るので、「カラフルな取説」といったところ。ただし、悪い点は書いていない。カメラ発売と前後して出されるので、長期使用でのレポートほど内容の的確性はない。「買った記念」みたいな本である。


 「スイングジャーナル」(スイングジャーナル社)……長年購読していて、定期便のように20日を過ぎると外交さんが職場にもってくる。ジャズの低迷と共に最近は部数も激減しているようで、編集後記の記事からみて編集者の数も減っている模様。新しく出るCDの「ディスク・レビュー」を読むために買っているようなものだが、最近は、聞きたいジャズマンがどんどん鬼籍に入り、買いたいCDもなくなって、そもそも名を知らぬジャズマンも増えた。おしゃれ系に分類されるものも多い。あの頃はこうだったという記事も、三十五年近くファンをやっていると、その同時代をよーく知っていて、何を今更と思うが、これは仕方がない。

 

「趣味の文具箱」第十五号(エイ出版社)……文具マニア、特に万年筆マニアが新製品のチェックで購入するムック本。前の職場の同僚が毎号買っていて、それを借り、バックナンバーを一挙に読破して、結構詳しくなった。その後、自分でも毎号買うようになる。今号は、「物欲全開! 極上スターショナリー」というサブタイトルで、ペンケースなど、万年筆以外の紹介も多いのが特色。特集の題のように典型的物欲刺激雑誌。彫刻が施された万年筆の新製品などを見るにつけ、女性が宝飾にため息をつくのとあまり変わらないような気がしてくる。

 

それにしても、雑誌のチョイスというのは、その人の趣味そのものが出る感じである。


 

 2009年12月22日
  スイフトはこんな車

 引き続き車の話。半年乗ったので、スズキ・スイフト(1,2L XG-L CVT)のインプレッションを少し。(あと一年もたたないうちに旧車となる、レビューが山ほどある車に、今更、レビュー書いても仕方がないという気もするが、一応。)

 何と言っても、インプレッサに較べ小さくなったので、駐車スペースでの余白が多くなり、その分、気が楽である。但し、駐車場に入れる時に重要なバックでの視認性が悪い。後ろのガラスエリアが小さい上に、サイドミラーも端下がりのデザインでうまく角度が決まらない。故に後退は気を遣う。
 小さい割に最小回転半径が大きいのも時々困る。コンパクトカーを運転しているはずなのに、Uターンなどで切り返しが必要な時があって、こちらのトレース・イメージと違ってまごつく。
 軽量エンジンは必要充分のパワー。スポーツモード(Sレンジ)に入れれば、坂道も駆け上がる。レバーを縦ではなく横にちょっと倒すだけと操作も簡単。エンジンブレーキにも使え、便利である。
 後座席は他社のコンパクトカーに較べても狭く、室内灯も前についているので、後部座席を照らさない。後座席に放り投げた荷物を夜探す時に不便で、そもそも、多人数乗車を考えていない設計のようである。
 CVTは、これまでの多段型オートマと違和感がないようにうまく作ってある。しかし、アクセルを離して減速中に、急にブレーキがかかるような挙動となり、超低速になると、今度は逆にブレーキを離したように前にすっと進む。そこが気持ち悪く、制御コンピュータの書き換えなどバージョン・アップがないのかと車屋さんに聞いたくらいであった。このことは試乗の時から気づいていたが、どうしようもないらしい。次のスプラッシュではうまく制御されていたので、来秋予定されている次期モデルでは間違いなく改善されているはず。メーカーのCVTのノウハウがまだまだだったのを買ったと諦めるしかない。その反面、ハンドリングは実に素直。カーブも常用速度内では適度に踏ん張る。
 トータル的に見て、運転していて嫌になる要素が少ない車で、サイズダウンの選択をした私にとって、その辺が一番助かった点である。
 但し、最初に書いたように、何と言ってもすべての部材がチャチである。新車の時はいいが長くはもたないぞというオーラが今からバンバン漂ってくる、そんな車である。(以上、言いたい放題。ご購入のご参考までに。)

 2009年12月21日
  軽量化の神髄(?)

 車の話が出たので続きを。
 買ったスイフトは六〇キロの軽量化をして1トン枠に収め、税制一つ下げた後期型。軽量エンジンに変更したのが軽量化のメインなのは勿論だが、それ以外にも本当にあちこち軽く仕上げてある。ドアを閉めると内張りが揺れるし、プラスチックの内装は押すと微妙にへこむ。必要充分の強度を保てばそれでいいという発想なのだろう。
 フロントグリルのメッシュも前期型に較べると薄いものになっているし、後座席、座面跳ね上げ式をやめたのも軽量化の一環だろう。後席後ろのトレイも、持った時、その軽さに驚いた。ビズ1本から軽量化に取り組んだといった感じである。低燃費が至上命令の今の車の行き方を如実に見せつけられた思いであった。
 それならと、夏以来、こちらも出来るだけ車にいらぬ荷物を載せずシンプル路線に……。先のホイール剥ぎ換えも、春に軽量ホイールを買ってバネ下重量の軽減化をはかろうと思ったため。
 ところが、最近、色々あたってみると、軽量ホイールというのは高価なのでびっくり。それだけ耐強度の技術がいるからのだろう。財布には全然エコでないので、省燃費でその分がペイできるとは到底思えない。でも、もう後戻りもできないので、どうせ車は自己満足の世界だよと開き直るしかなくなった。
 これ以上軽くするには内装を剥がすとか頑固な世界に入っていくしかないので、もうそろそろ終わりかな、と思っていたが、はたと気がづいた。あと十キロ重いものを積んでいる。
 運転している人の腹回り。(ありゃ……。)

 

(ネットを巡ると、このオチは車軽量化話題では定番のようで、いくつか見つけた。みんな考えることは一緒のようであります。)

 2009年12月20日
  いよいよ雪

 今週後半から雪マークが出ていたので、先の土日はどこのガソリンスタンドでもタイヤ交換待ちの車で溢れんばかりで、店奥には新品スノータイヤが堆く積まれていた。
 我が愛車スイフトは初めての冬で、タイヤをどうするか悩んだが、純正ホイールに付け直すことにし、ノーマルと同サイズ(185/60/15)のスノータイヤを購入した。
 タイヤは扁平率が高いものはぐっと高くなる。町使用だけなら14インチにダウンし70で充分なので、だいぶ贅沢である。あとで175/15/65という選択もあったなと思わないでもなかったが、装着した実物を見ると、接地面がしっかり確保されエッジも効いていて、見た目はなかなか頼もしい。なにせ、車は葉書四枚分の面積だけで地面とくっついているのだから……。
 今年、四輪駆動でなくなった分、雪道が心配であった。しっかりグリップしてくれそうだ、多少の出費はその安心料だと考えることにした。
 17日より金沢は初積雪。十センチほどになった。用事であちこち出かけて、初めての雪道走行を体感した。
 さて、問題の雪道挙動。発進時の踏ん張りがなく、すぐに前タイヤは空転してお尻が振れるし、前車なら踏み潰していた雪の轍の段差をこの車は上に乗ってしまいぴょんぴよん跳ねまわるし……。タイヤのせいというより、駆動輪が半分になったことと、前車より二五〇キログラムも軽くなったことからくる「地に足がついていない感」があって、なあるほど、軽量FFってこんな感じなのだと理解した。
 タイヤ性能のことばかり気にしていたが、雪道の安全性はタイヤばかりでない。そんな当たり前のことに気づいたこの休日。

 

 2009年12月19日
  中級機導入(カメラ使用レポート)
 デジタル機器の陳腐化は本当に月単位。初めてデジタル一眼レフ(istDL2)を手にして四年弱、当初は銀塩に比べて高感度に強いなどデジタルの威力に感嘆していたが、あっという間にその時の標準から劣ったものとなっていった。特に、もともとペンタックスの泣き所であった合焦スピードや連射の遅さは如何ともしがたく、どれだけシャッターチャンスを逃したことか。しかし、小型軽量、単三電池仕様といい点もたくさんあって、これまでお散歩使用として重宝してきた。
 今秋、連射性能などが大幅に改善されたカラフル入門機K−xが出るに及び、購入を検討したが、カメラのランクが同じなので、今の機種が死んでしまう、お散歩カメラとしては充分なのだから、それなら中級機を買った方が使い分けできるということで、発売後半年たったK−7を買うことにした。
 銀塩を含め中級機は初めて。他メーカーに比べ小型軽量とはいえ、合金でそれなりに重い。電池は専用バッテリー。防滴仕様、連射も早くバッファは十分。前機とランクが違うので当然だが色々な点で格段によくなっている。
 そこで、以下は、気になったところをいくつか。
 合焦スピードがよくなったといっても、依然、他社には劣る。特に動体追従モードで差が出る。
 ライブビューにするとAFがジージーと黎明期並みになる。あくまでも、ローアングルなど特殊な使い方の時、威力を発揮するというレベル。
 画像の補正を各種オン状態にすると、保存に時間がかかるようになり、動作が遅くなる。特に歪曲収差・色収差補正で顕著に出る。このことは、事前にネット検索で情報を仕入れていたので、オンにしなかったが、出来れば常時オンにしたい設定である。スピードを求める時はオフ、じっくり撮る時はオンと使い分ければいいのだろうが、いちいち画面を呼び出して変えるかは疑問。
  問題の画像について。デフォルトの画像は、「K-7オーナーズブック」(モーターマガジン社)所載のインタビュー記事で、開発者が「彩度を落として柔らかい画像を目指した」言っているように、銀塩フィルムに近い感じなっていた。私はこれはこれで好ましいと思ったが、口コミでは「眠い」と評価しない人が多かったようだ。また、高感度になると画像のざらつきが目立つ点も、開発者が「解像感を残すため積極的に押さえこんでいない」旨の発言をしていて、技術的な未熟さではないことは判っていたのだが、確かに高感度はDL2よりもざらついていると感じることが多かった。
 この点は、すぐにバージョン・アップが実施され、問題のないレベルに改善されたようだが、私自身は、その初期の感じを知りたかったので、まず当座、アップせずに使って、一週間ほど色々試行錯誤して、なんとか自分なりにいい方向に設定しなおしてからバージョン・アップした。その過程で、自然とこの機種の操作方法や癖を覚えた。いずれにしろ、いろいろ細かい設定の変更をせねばならないという面で、初心者には優しくないカメラである。
  おそらく、デジタル時代になってそれなりの歳月となり、写真愛好家の嗜好が銀塩的なものから「鮮やか・くっきり」路線へ変化してきているのだろう。ペンタ側はそれを読み切れず、入門機ではないのだからと落ち着いた画面をデフォルトにしたのだろう。この流れは世の変化を実感するに充分な出来事であったように思う。
 また、入門機慣れした私には、オートモード(グリーンモード)が、本当に固定モードでほとんど変更出来ず、初心者にカメラを貸す時に使う時用という感じなのが少々驚きであった。あとは急に落差があって、「自分で積極的に選べ」モードである。ダイヤルでお花モードやポートレートモードを選んで楽していたのに比べると、撮影者に緊張を強いる、「いい写真になるのもならないのもこっちの責任」というカメラである。そんなところが中級機らしい。
 ジージーとピントが合わず、苦労して撮っていた前機種に比べ、画像の好みはあるにしろ、下手な鉄砲だけはガンガン連射できるようになり、なんだかこれだけカメラがよくなってくると、技術の見せ所、苦労のしどころがよく判らず、ダイレクトにセンスの問題だけが表に出ることになり、写真が撮りづらい気がしてきたのは私だけの考えすぎだろうか。
 2009年12月13日
  マスクが似合う

 マスクは白一色で、服の色と合わず浮いて見える。いつも行くスーパーのレジは、お客様への配慮ということで一ヶ月ほど前からマスクの着用をはじめているのだが、はやり、ずらっと並んでマスクをしている光景に多少の違和感があった。その彼女らがクリスマスシーズンということで、皆、サンタ衣装に変身……。それを見た愚妻曰く、「何だか、皆、似合っているね。」
 まじまじ見ると、なあるほど。サンタの口元は白髭で覆われている。それと色合いがそっくりなのであった。
 ベストコーディネート!

 

 2009年12月05日
  雑用の初冬
 通販で買った遠赤ヒーターがコンセント発熱の恐れがあるとリコールされ、サーモつきのものに変わったのが去年。ところが、すぐサーモが落ちるようになり、高温で使えない状態になっていた。一冬は騙し騙し使っていたが、今ごろになって通販会社に連絡して、再度直してもらうことに……。先日、それが戻ってきて、問題なくなったことを確認、ようやく解決した。今秋、オイルヒーターも別に購入し、この冬の暖房はこれで心配なくなった。
  十一月下旬、スタッドレスタイヤを買って履き替える。人間様の方も、先日のビジネス冬靴に続き、今週、普段使い用の冬ズックも購入。ここのところ、冬に備えて色々動いていた。
 某日、掛時計が停止した。使われ出したのは十年ほど前からだが、愚妻に聞くと、元々は二十年以上前の頂き物で、実家で捨て置かれたものをもらってきたのだという。寿命ということで修理はせず廃棄することに。
  その前からサブ使いの腕時計のバンドが傷んでいた。こっちの方は、ようやく先日時計屋さんに持っていき、駒を落として修理してもらった。
 今使っているパソコンは七年もの。今週、電源部より埃に引火して火災のおそれありとリコールの案内が…。他、いちいち列記はしないが諸々用事が入る。
 季節の用意、生活のための雑事。仕事が終わって寝るまでの間に出来ることはし、買い物も行くが、出来ないことの方が多く、それらは休日にまとめてする。そうして一週間があっという間に過ぎていく。
 この時期、なぜか雑用が増える。向こうからやってきたり、放置していたものを慌ててしたり……。
  冬前、生き物というのは皆、何かしなければならぬモードに入ってしまうのかもしれない。
 2009年12月04日
  モカがない
  珈琲豆屋さんでモカを買おうとしたらないという。知らなかったが、国内流通のほとんどを占めるエチオピア産モカの生豆から残留農薬が検出され、輸入がストップしているのだという。もう一年以上になるとのこと。道理で、他のショップに行った時も切らしていますと言われる訳である。では、ブレンドには入っていないのかと聞くと、単品はムリでも、検査し合格しているほんの少しが流通しているので、うちのは混ざっているという話だった。ネットではよく似た味の代用品をまぜたりして業者は苦労しているらしい。原因は不明で長引きそうである。
 ここところ、どうも好きな味の珈琲を飲んでいないと内心思っていたので納得したが、実は、大袋入りの珈琲豆を懲りずに何度も買ってきては、「失敗した、不味い不味い。」とこぼしながら飲んでいたというのが実情。自分の「安物買いの銭失い」性格に呆れていたところだったので、もしかしたら、好みのモカがまったく入っていないのも原因だったのかもしれないと思い直した。
 かわりに買ってきたブレンド、言われてみればモカ風味が足りない。ああ、美味しいモカが飲みたいと、急に飢餓意識が出てくるのが我ながら単純なのであった。
 それにしても、乱獲で昔は沢山採れていたものが採れなくなって高価となり、家庭の食卓から遠ざかった食材があったり、今回のように、便利と思って導入した人の業が逆に人から食べ物を遠ざけたり……。人は地球からしっぺ返しをしっかり受けているということなのだろう。私がおじいちゃんになった頃、食材は代用品だらけなんてことになっていなければいいが……。
 2009年12月01日
  佐渡裕・高橋俊郎「バーンスタイン名盤100選」(新潮社 とんぼの本)を読む

  S&Gが好きだったこともあり、あの頃、手元にCBSソニーの薄いLPカタログがあった。家で本格的な家具調ステレオセットを買って、最初に購ったクラシックのレコードは、だからバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの「運命」「未完成」のカップリング。定番中の定番。
 当時、カラヤン全盛だったが、CBSレーベル贔屓の私はバーンスタイン派だった。最初は全然判らなかったが、何枚かニューヨークフィルものを買ってみて、ヨーロッパの感覚とは違うアメリカの匂いを感じた。だから、彼が活動拠点を欧州に移し、独グラモフォンから次々ウイーン・フィルを振ったライブを出し始めた時は感慨深いものがあった。もっと長生きしたら、本場のオケで、エネルギッシュな演奏を次々残せたのにと、亡くなった時、残念に思った覚えがある。
 体調不良、指揮活動の停止が伝えられるとすぐに亡くなった印象で、日本公演のキャンセルを巨匠の我が儘と揶揄した文章を読んだばかりだったので、経過を知らず勝手に非難したものと不快に思った覚えがある。後、晩年から死までのドキュメンタリーがテレビで放映され、真実を知る。
 この本、彼の代表的なレコードのジャケットを年代順に並べて、彼の人生や演奏、ジャケットへのコメントが付されている。前半は私が音楽を聴き始める前のLPばかりなので、知らないものが多く、勉強になった。東京ライブの「革命」など七十年代以降のものは、同時代的で懐かしい。
 著者に佐渡裕の名があるが、寄稿といった程度。高橋の著作である。

 

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