「東京人」(二七五号 特集 永井荷風の愉しき孤独)(都市出版)……以前、続けて何冊も買っていた時期もあったが、最近はとんとご無沙汰。地域限定でもネタ切れせず、よくもっている。既に創刊二十五周年という。十一月の出張の際、東京駅の売店で発見、帰りの列車で大まか読んだ。戦後の首都圏生活人としての荷風にスポットが当たっており、永井永光提供の写真や資料に見たことがないものが混じるのが興味深い。雑誌の特集として実に丁寧な編集で、好感が持てる。
「考える人」(新潮社)……季刊誌。特集「活字からウェブへの……」というのが面白そうで購入。巻頭の糸井重里の「ほぼ日」裏話など気軽に読ませる。その他、頁まくれどまくれど実に豪華な執筆陣オンパレードで、慌てて出版社を確認した。社あげての全力投球といったところ。実は、買うまでこういう雑誌があることを知らなかった。既に三十号という。
「オーディオ・ベーシック」五十二号(共同通信社)……昔は「ステレオ」誌をよく購入していたし、数年前にも久しぶりに何号か続けて買った。この雑誌の購入は二度目。おまけのCDがよくて、前回は五十号記念でオーディオチェック用CDがついた。今回は板橋文夫のソロピアノ集がつく。このおまけがなかなか魅力的。ビュジュアルには行かないつもりなので、オーディオ新製品のチェック用に、スイングジャーナルのオーディオ頁と共に大事な情報源である。かといって、最近、オーディオ製品を買ったことはない……。見て楽しむ派?。
「アサヒカメラ」二〇一〇年一月号(朝日新聞出版局) ……新しく買ったカメラ、ペンタックスK−7の「診断室」があったので購入。名物コーナーで、興味あるカメラが俎上にのる時は時々買う。カメラの癖を掴むのに益があるのではとそこだけは熟読した。成る程というところもあったが、悲しい哉、せっかくの分析表やグラフの半数は意味が判らない。文系の悲しさ。ということで、役に立ったかかというと……、微妙。(悲)
「Kー7オーナーズブック」(モーターマガジン社)……同じく新しいカメラのムック本。取り扱い説明書と、結局は同じことが書いてあるのだが、こういう設定したらこういう画になるということがカラー写真で判るので、「カラフルな取説」といったところ。ただし、悪い点は書いていない。カメラ発売と前後して出されるので、長期使用でのレポートほど内容の的確性はない。「買った記念」みたいな本である。
「スイングジャーナル」(スイングジャーナル社)……長年購読していて、定期便のように20日を過ぎると外交さんが職場にもってくる。ジャズの低迷と共に最近は部数も激減しているようで、編集後記の記事からみて編集者の数も減っている模様。新しく出るCDの「ディスク・レビュー」を読むために買っているようなものだが、最近は、聞きたいジャズマンがどんどん鬼籍に入り、買いたいCDもなくなって、そもそも名を知らぬジャズマンも増えた。おしゃれ系に分類されるものも多い。あの頃はこうだったという記事も、三十五年近くファンをやっていると、その同時代をよーく知っていて、何を今更と思うが、これは仕方がない。
「趣味の文具箱」第十五号(エイ出版社)……文具マニア、特に万年筆マニアが新製品のチェックで購入するムック本。前の職場の同僚が毎号買っていて、それを借り、バックナンバーを一挙に読破して、結構詳しくなった。その後、自分でも毎号買うようになる。今号は、「物欲全開! 極上スターショナリー」というサブタイトルで、ペンケースなど、万年筆以外の紹介も多いのが特色。特集の題のように典型的物欲刺激雑誌。彫刻が施された万年筆の新製品などを見るにつけ、女性が宝飾にため息をつくのとあまり変わらないような気がしてくる。
それにしても、雑誌のチョイスというのは、その人の趣味そのものが出る感じである。