ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2010年03月27日 :: アンコールワット展を観る |
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年度末の休日、中心街のデパート催事場で開催中の「アンコールワット展」を鑑賞した。一年かけて巡回する中、金沢と東京三越本店だけがデパート開催で、あとは美術館・博物館開催のようだ。 アンコールワットへは、七年前に実際に行って、観てきた。アンコール・トムや木の根が遺跡を鷲掴みしているタ・プロームなどを見て、当時のクメールの文化の高さや信仰の深さに圧倒された。今でもその時の景色を思い出す。地雷がまだ完全に除去されていないので、あまりフラフラ道以外のところを歩かないようにとガイドに注意されたりもした。 今回の展示は、上智大学の石澤良昭学長が監修し、上智大学の学術成果を一般へ開示・啓蒙するという側面がある。鑑賞した日は、偶然、ご本人がホール・トークをされたので、氏自身から貴重な解説を聞くことができた。仏頭の顔を「お顔」と表現するなど、石像に敬意を払っておられる様子が言葉の端々に感じられ、現在のカンボジアの人たちも信仰が深く、人に対する温かさがあって素晴らしいと話を結んだ。 会場のビデオによると、この方、発掘に携わった現地の友人のほとんどがポルポト政権下で殺されたそうだ。その後、現地カンボジア人の発掘専門家を育てることも大きな仕事になったという。その研修中に廃仏がまとまって発掘されたそうで、スーパー業界大手のイオングループの強力な経済的援助も得て、現代の学術として様々な要素がうまくかみ合い、学者としても羨むべき成功をおさめた方のようだ。 現地に行ったことのある私の素朴な感想として、一面に彫刻を施された建物自体の素晴らしさが心に残っていたので、今回は、石像のみの展示で、建築関係の展示・解説はほとんどなく、少しもの足りない気がした。氏の話の中で、仏像は考古学、建物は建築学と分かれているという話だったので、彼監修のこの展覧会、建築分野が弱いのは致し方ないのかもしれない。 あの時、シェムリアップのホテルの前にあった小学校の子供たちの、元気一杯にグランドを駆け回って遊んでいる様子を眺めながら、日本より経済は遅れているかもしれないが、不幸な時代が去って力強く成長していっている国の明るさを感じたことを思い出したりした。 会場の壁に掛かっていた年表を見ながら、若いカップルが時代による変化を議論していたが、私なぞ、おおざっぱにひとまとめにしてしか観ていなかったので、大変頼もしく感じた。アジアの文化の違いを平気で話し合える教養がこの日本に根付いてきているなら心強いことである。 我が家はこのデパートで友の会積み立てをしているので、買い物券化して、最上階食堂街で遅い昼食、後、デパ地下で食料品を買う。まったくもって商売にはまっている格好。 世間ではデパートの凋落がニュースを賑わせている。年度末の休日にもかかわらず思ったほど混んでなくて、閑散一歩手前くらいの人出だったのが、その証拠か。
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