ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2010年04月03日 :: (つづき) |
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そのペリカン万年筆は、インクをかえても洗いもせず、乱雑に扱って手こずっている。その様子は、擬人法などを使って自虐的に説明され、この文章で最も微笑ましい箇所となっている。反面、「ブリュー・ブラックが性来嫌い」で「わざわざセピヤ色の墨を買って」と、インクの趣味は、なかなかこだわっている。 「彼岸過迄」をつけペンで書いて、面倒くささに辟易し、「離別した第一の細君を後から懐かしく思う如く」、いったん見捨てた万年筆に「未練の残っている事を発見した」漱石は、その後、オノト万年筆を勧められ、「大変心持よくすらすら書けて愉快」な心持ちがし、ようやく万年筆を愛用するようになる。文章は、これをもって「万年筆に対して幾分か罪亡ぼしをした積(つもり)なのである」という終わり方をしている。「ものエッセイ」らしい定番の結び方である。 その後の作品「行人」「こころ」などはこのオノト万年筆で書かれた。最晩年、国産物も購ったようだが、最後まで数本のオノトを所持していたという。 ちなみに、扱い方を知らず相性が悪かったペリカンは、今のペリカン万年筆とは無関係。また、今もオノトを名乗っている万年筆があるが、これは伝統のブランドを引き継いだだけで、会社が今も存続している訳ではない。
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