8月13日の日記で、啖呵売について触れた。寅さんみたいな香具師が、口上で客を乗せまくり、しょうもない品物を売る啖呵売。例の「たいしたもんだよ蛙のションベン、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし。〜」というやつである。 「広辞苑」には「タンカウリ」で出ている、愚妻は「タンカバイ」だという。ネットでは「タンカバイ」の方で幾つかヒットした。私は、どちらの言い方も知らなかった。国語教師をしていても知らないことばかり。電子辞書は、だから必携である。
もうひとつ勉強。「結構毛だらけ猫灰だらけ」のような、勢い余って余分な言葉をつけたような言い方を、国語的には「付け足し言葉」というらしい。 そこで、調べたが、なかなか面白い。個人的に四つに分類すると、以下のようになる。
1、よく知っているし、実際、使わなくもない言葉。 「おっと合点承知之助」 「その手は桑名の焼蛤」 「恐れ入谷の鬼子母神」 「驚き桃の木山椒の木」 「あたりき車力よ車引き」 でも「車引き」までは知らなかった。
2、聞いたことあるけど、ボキャブラリーにはなかった。咄嗟にはでてこない。 「何か用か九日十日」 「会いに北野の天満宮」 「何だ神田の大明神」 そういえば、「何だ神田の明神下で〜」という銭形平次の歌があったなあ、これを踏まえているんだと、今頃、気づいた。
3、知らなかったけど、うん、いいんじゃない。 「嘘を築地の御門跡」 「とんだ目に太田道灌」 「そうで有馬の水天宮」 「蟻が鯛なら芋虫や鯨」 「何がなんきん唐茄子かぼちゃ」 南京も唐茄子も南瓜の別名。同じことを三回言っていることになる。そういえば、祖母は唐茄子と言っていた。
4、知らなかった。今ではあまり使わないかも。 「とんだ所へ北村大膳」 「びっくり下谷の広徳寺」 「腹が空いて北山時雨」 北山時雨は人名ではない。京都北山からの時雨のことだそうだ。
皆さんの分類はどうでしょうか。ネットで検索しつつ、何だか、斎藤孝あたりが、絡んでいそうだと思ったら、案の定、彼のベストセラー本の中で、紹介されているようだ。
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