ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2006年03月17日 :: 塩野米松さんの文章 |
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今年の我が勤務校の入試小論文は、木の仕事について書かれた塩野米松の文章(『木の教え』草思社)からの出題であった。 現代は能率主義に侵されていて、これを優先すると、頑丈で長く持つという建物本来の目的が見失われ、法律内に入っていればいいという発想になるという箇所。 姉歯建築士による耐震強度偽装事件、東横インの身障者施設撤去・建坪率違反事件、そして、それらの責任者の無責任な言動の数々を、今年度後半、嫌ほど見せつけられた。法律ギリギリで勝負しているということは、全然いいものを作ろうという意識がないということである。見つからなかったら、違反に踏み込む。そこに何のストッパーもない。 現代がどういう時代になってしまったのか、今回の事件ではっきりと判った。少なくとも普通の日本人は、みんな暗い気持ちになっていた。そんな時、法隆寺が千二百年平然と建っていることを例に、何が大切かを明快に説明してくれた文章だったので、「その通り!」と快哉を叫びたくなった。 昨日、事務方のボスが、我々の小部屋にやってきて、「いやあ、今年の小論文、よかった。なんていい文章出してくれたんだと思って、嬉しくて仕方がない。」と感に堪えないように話された。 この方、名棟梁故西岡常一、その弟子小川三夫、そうした方への聞き書きで有名な塩野米松の愛読者だという。 ああ、そうですか。私も、小川さんの講演会聞きに行ったことがあります。よかったですよ。と穂を継ぐ。 意外なところで、意外な同好の士がいるものである。直接、予算や営繕に携わる方がそうした意識を根っこにしっかり持っておられる。これほど、心強いことはない。
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