ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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2007年03月05日 :: 真ん中がない |
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話題を続ける。もう何度もこの話題には触れていて、最早、繰り返しの世界だが、しばらくお付き合い願いたい。 愚妻は手藝が趣味。日々作るというわけではないが、時に、縫い物や編み物をする。彼女からの受け売りによると、以前、繁華街に古くからある服地屋さんや高級毛糸屋さんがあって、ショーウインドウには、素人向けながら、ブランド服地や輸入毛糸が並んでいたという。そんなお店がなくなって、今は、県外資本の郊外型大店舗の手藝店が主力になっているそうだ。だが、彼女に言わせると、そういうお店は、初心者向けのものは色々置いてあるが、上級者向けのものがあまりないのだという。女の子が彼氏に手編みをプレゼントする時などには充分対応するが、腰を入れてやっているベテラン層はターゲットにしていないというのである。 昔は、多くの主婦が縫い物や編み物をしていた。だから、ご近所に手藝の達人が何名もいらっしゃった。手の込んだ洋服さえもさっさと作る腕前。レベルが高かったのである。そんなベテラン主婦文化は完全に廃れた。うまい人の絶対数が激減した。そこで、商売として素人向けにシフトするのは致し方ないことなのだろう。 この話を聞いて、オーディオの世界も同じだと愚妻に話した。レコードプレーヤー購入の時にも実感した話である。 デジタル化して、お手軽にいい音で聞けるようになった結果、ミニコンポで充分となり、数万円程度のセットものが主力となった。この結果、フルサイズ単品オーディオの需要が激減した。一つ何十万円の超高級市場は未だ健在だが、勤め人がちょっとピュア・オーディオに触れてみたいレベルの層がぐっと薄い。 プロや高級は生き残る。真ん中がなくて入門向けが生き残る。分布表でいうと二瘤というのが現代の状況なのだろう。しかし、何事も正規分布が望ましい。本当に文化を支えているのは熟達のデレッタントなのだから。そこがなくなると、これはプロの世界だから当たり前、こっちは素人、出来る範囲ですればいいやで終わってしまって、文化全体の底上げにならない。 この話でもっとも恐いのは、子供たちの学力も今やそうなりつつあること。 なにをどうしたら直るのだろう? と心の中で問題提起してみるのだが、そこから先は、それ、ご存じのボンクラ頭。さっぱり思い浮かばないまま終わるのであった。
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この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
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