ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2008年06月09日 :: 入江泰吉展を観る |
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先に入江泰吉・白州正子他『入江泰吉の奈良』(とんぼの本 新潮社)を読んで、実際の作品に触れたいものだと思っていたところ、ミュゼふくおかカメラ館で、この時期、彼の特別展が開催されることを知り、期間中の昨日、観に出かけた。今年になって遠出していなかったので、高速で富山方面に行くのは久しぶり。カメラ館も白籏展以来である。 せっかく高岡まで行くのだからと、先に瑞龍寺を見学した。加賀二代藩主前田利長の菩提寺で、江戸前期創建の禅宗様式の建物が美しい。近場の割には来たことがなく、今回、初めての拝観。 写真も少々撮ったが、過去の自分の写真を模しているかのような構図ばかりになっていて、そこから脱出する難しさを痛感する。 次に、鋳物の町、金屋町通りを散策した。高岡市鋳物資料館にも入る。古い格子の家が残る落ち着いた町並みは金沢の西の郭を連想させる風情であった。 写真展は、晩年、集大成として自作百枚を選んだ際のチョイスを元にしたもので、彼の代表作が悉く入っているようだ。 全体的な印象は、ビュジュアル本の時と同じで、破綻のないオーソドックスな構図とライティングが安定した絵柄を生んでいるというもの。仏像の前横にメイン光を、後ろ横にサブ光をあてて陰影を出した画や、手前の花々ににピントを合わせ、背景にぼけた寺院を配した画など、定番の手法・構図のものが多かった。しかし、霧で社寺がかすんでいたり、真横からの朝の暖光が並ぶ柱にあたって際立って見えるものなど、時間をかけ、どんな季節・時間帯にどんな表情を見せるかを熟知している結果として、いわば「待ち」の成果として、個々の写真がしっとりと輝いているように感じた。 子供の頃から知っている有名な写真が幾つかあった。「社会」の時間の資料集か教科書に載っていたような……。我々日本人は、奈良・斑鳩というと、彼の眼のフィルターを通して見知っているとも言えそうだ。 館内は、退色防止からか、窓に黒いシールドが張り巡らされ、いつになく暗かったが、これは借り出し元の指示なのだろうか。 後、二年前に入って気に入ったカメラ館近くのお蕎麦屋さんに遅い昼食を食べに入ったら、お客はおらず、お店のご家族が昼食中だったようで、慌てて店に出ていらして、ちょっとお気の毒だった。「営業中」の札はかかっていたので無理強いをした訳ではないが、個人営業の食べ物商売も大変である。 過ごしやすい季節の中、ゆっくり出て早めに帰る。無理をしない中年らしい小観光の一日だった。
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