ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2008年08月20日 :: 「『仮想人物』の世界」展を観る |
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浅野川の洪水のため一部閉鎖していた徳田秋声記念館が十二日より通常営業に戻ったという地元新聞を読み、特別展「『仮想人物』の世界」を観に出かけた。お盆休みの最中で、午前中に行った金沢二十一世紀美術館は芋の子洗い状態だったが、勿論、こちらは貸し切り状態。ぱっと見、被害の名残りは何もなかった。 妻死亡後、すぐに懇ろとなった女弟子、山田順子との関係を、事件が起こって十年近くたった後、作品化した長篇小説「仮想人物」にスポットをあてた展示である。 実在の山田は自由奔放な生き方をした人で、当時の道徳では批判も多かっただろうと思われる。解説にも、マスコミを意識した動き方をした人というような記述があった。 今の時点からみると、自らも文筆家としての大成を願い、自立した生き方を模索した人で、解説氏がいうように、「芸術だけを支えとして」生き抜こうとした「新しい女」の「一つのサンプル」として、再評価が必要なのかもしれない。 それにしても、夢二や勝本清一郎など有名人も混ざる男性遍歴をみるにつけ、当時の保守的モラルの中で、当時の文壇画壇のみ例外的に、芸術家はそんなものだという男側の「自由恋愛」容認の雰囲気があったのだろうなという感じがした。フェミニズム的発想をするとまったくもって男が悪いといわれそうである。 マッチポンプ的な動きをしがちな自然主義作家、作品化までの歳月のかけ方に老獪さを感じる。大事なネタである。大切に育てていったのだろう。 作品は未読。肝心の作品のコメントはできないのが情けない。断片を見る限り、例によって女性の描写や会話に実在感があり、優れているようだ。 最後に、二階より浅野川を眺む。 洪水から一週間程たって、大橋を通った時は、いつもの水位だったが、水は茶けて汚れていた。激流で地肌を削ったところからまだ土が流れ出ているのだろう。河川敷の緑も心なしか冴えなかった。 この日、流れを見ると、澄んだとまではいかないが、かなり透明感を増してきているようだ。木造の梅の橋も、修繕・漂白でもされたのだろう、白くなって新木ぽくなっている。界隈は、少しずつ旧に復している気配で、一安心であった。
洪水の土落ち着いて秋流る 橋渡る秋声の恋読み終えて 俊建
勿論、読み終えてはいない。そこはそれ、イメージの世界ということでお許し願いたい。橋も渡ってないし……。
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