カメラ道楽
1975年、オリンパスOM−1を買って以来、ちょっとずつカメラが増えてきました。手放した機種もあり、紛失したものもあり、結局、現在、9機種で運用しています。懐かしのカメラや、手持ちのレンズも含め、印象をご紹介します。
デジタル機器の陳腐化は本当に月単位。初めてデジタル一眼レフ(istDL2)を手にして四年弱、当初は銀塩に比べて高感度に強いなどデジタルの威力に感嘆していたが、あっという間にその時の標準から劣ったものとなっていった。特に、もともとペンタックスの泣き所であった合焦スピードや連射の遅さは如何ともしがたく、どれだけシャッターチャンスを逃したことか。しかし、小型軽量、単三電池仕様といい点もたくさんあって、これまでお散歩使用として重宝してきた。 今秋、連射性能などが大幅に改善されたカラフル入門機K−xが出るに及び、購入を検討したが、カメラのランクが同じなので、今の機種が死んでしまう、お散歩カメラとしては充分なのだから、それなら中級機を買った方が使い分けできるということで、発売後半年たったK−7を買うことにした。 銀塩を含め中級機は初めて。他メーカーに比べ小型軽量とはいえ、合金でそれなりに重い。電池は専用バッテリー。防滴仕様、連射も早くバッファは十分。前機とランクが違うので当然だが色々な点で格段によくなっている。 そこで、以下は、気になったところをいくつか。 合焦スピードがよくなったといっても、依然、他社には劣る。特に動体追従モードで差が出る。 ライブビューにするとAFがジージーと黎明期並みになる。あくまでも、ローアングルなど特殊な使い方の時、威力を発揮するというレベル。 画像の補正を各種オン状態にすると、保存に時間がかかるようになり、動作が遅くなる。特に歪曲収差・色収差補正で顕著に出る。このことは、事前にネット検索で情報を仕入れていたので、オンにしなかったが、出来れば常時オンにしたい設定である。スピードを求める時はオフ、じっくり撮る時はオンと使い分ければいいのだろうが、いちいち画面を呼び出して変えるかは疑問。 問題の画像について。デフォルトの画像は、「K-7オーナーズブック」(モーターマガジン社)所載のインタビュー記事で、開発者が「彩度を落として柔らかい画像を目指した」言っているように、銀塩フィルムに近い感じなっていた。私はこれはこれで好ましいと思ったが、口コミでは「眠い」と評価しない人が多かったようだ。また、高感度になると画像のざらつきが目立つ点も、開発者が「解像感を残すため積極的に押さえこんでいない」旨の発言をしていて、技術的な未熟さではないことは判っていたのだが、確かに高感度はDL2よりもざらついていると感じることが多かった。 この点は、すぐにバージョン・アップが実施され、問題のないレベルに改善されたようだが、私自身は、その初期の感じを知りたかったので、まず当座、アップせずに使って、一週間ほど色々試行錯誤して、なんとか自分なりにいい方向に設定しなおしてからバージョン・アップした。その過程で、自然とこの機種の操作方法や癖を覚えた。いずれにしろ、いろいろ細かい設定の変更をせねばならないという面で、初心者には優しくないカメラである。 おそらく、デジタル時代になってそれなりの歳月となり、写真愛好家の嗜好が銀塩的なものから「鮮やか・くっきり」路線へ変化してきているのだろう。ペンタ側はそれを読み切れず、入門機ではないのだからと落ち着いた画面をデフォルトにしたのだろう。この流れは世の変化を実感するに充分な出来事であったように思う。 また、入門機慣れした私には、オートモード(グリーンモード)が、本当に固定モードでほとんど変更出来ず、初心者にカメラを貸す時に使う時用という感じなのが少々驚きであった。あとは急に落差があって、「自分で積極的に選べ」モードである。ダイヤルでお花モードやポートレートモードを選んで楽していたのに比べると、撮影者に緊張を強いる、「いい写真になるのもならないのもこっちの責任」というカメラである。そんなところが中級機らしい。 ジージーとピントが合わず、苦労して撮っていた前機種に比べ、画像の好みはあるにしろ、下手な鉄砲だけはガンガン連射できるようになり、なんだかこれだけカメラがよくなってくると、技術の見せ所、苦労のしどころがよく判らず、ダイレクトにセンスの問題だけが表に出ることになり、写真が撮りづらい気がしてきたのは私だけの考えすぎだろうか(2009.12.19)
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(アジサイ リコー キャプリオGX8 2005.6)
なお、このHPの写真はすべて、ペンタックス*istDL2、リコーキャプリオGX8、オリンパスC−40Zのいずれかで撮ったものです。