ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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突然の解散があり、衆議院選挙となった。三年前空前の大勝をした民主党は惨敗し、政権は自民党に戻ることとなった。しかし、比例選挙の得票数を見ても、自民党自体が支持されている訳ではなく、乱立と離合集散によって民主党への批判を第三極が集票に生かせなかったこと、二大政党制を意識した現行の衆議院選挙制度、低い投票率などが結果的に自民党を後押しをしたような形になった。国民世論の過半数は脱原発なのに、一番脱原発から遠い政党が圧倒的勝利を勝ち得てエネルギー政策を進めることに疑問を持つ人も多い。 選挙前の慌ただしい動きを見ていると、今の政治というのは「旬」競争をしているのだという感想を持った。あるところとあるところが組んだと話題になった途端、次には別のところが動きを見せ、ニュースはそちらに集中し、前の話題がかすんでいく。国民の耳目を惹きつけ、新しさを選挙まで維持できたところが勝ちになるはずと踏んで、タイミングを見計らいながら話を動かしているかのような印象がある。 選挙が終わり、民主の壊滅的大敗をみると、今度は「国民皆浮動票」という言葉が脳裏に浮かんだ。米国のような強固な支持基盤の上にたつ二大政党制だったら、今回の議席が四分の一になるような事態はまず考えにくい。日本人は昔の自民党社会党二大勢力時代よりも、是々非々、その時その時の感覚で選ぶようになっている。つまり、票はなんら未練もなくさっさと裏切る。 上野千鶴子は、民衆はしたたかで、たかが人気、されど人気の不真面目さの中で、(独裁者が出てこないという意味で)逆説的に民主主義は守られていると看破したが、その民主政治自体が、「基盤」と「目的」とが倒錯し、まさに「人気」取りを至上命題にして奔走しなければならなくなっているという近年の傾向を今回もたっぷりと感した。 それに、日本の戦後政治は常に大政党から分離して小政党を作りたがる歴史を持つことを付け加えて考えるならば、おそらく、当分、日本に二大政党制は実現しないだろう。色々なことをしっかり決めなければならない今なのに、政治はますます落ち着きをなくして迷走し「軽く」なっていくのは間違いないことのように思える。 以上が自分の覚えのための今回の選挙全般のまとめ。ニュース解説風。 以下、身近なことでの雑感。 今度の選挙で感じたのは、投票所で若者をほとんど見かけなかったこと。劇の観客が敬老会のようになっているのを憂いていたら、十一月に行ったジャズのコンサートも同様の光景であることに気づいた。二十年近くやっている間に観客もそのまま歳をとったといった塩梅で、若者だったらもっと盛り上がるシーンも妙におとなしい。それと同じ感じの投票所。 「いい若いもんが休日の午前中にのんびり投票に来ることのほうが珍しいよ。」と愚妻はフォローしていて、それもそうだなといったん納得したが、選挙後のニュースによると、やはり、若者の投票率は悪いという。 就職難など火の粉はどんどん彼ら自身に降りかかっているのに……。私たちの上の全共闘世代の爺婆はどんな思いでこのニュースを聞いているのであろうか。 いやいやその前に、若者はいったいどこの世界の住人になって興味関心を伸ばしているのだろうか。電子上のバーチャルな世界に籠もってそのまんまということになっていないことを祈るばかり。
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