ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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町行きはデパート催事場で開催されている星野富弘展を観るため。 星野さんのことは「愛、深き淵より」(立風書房)や初期の数冊の画集でよく知っていて、二十年ほと前は盛んに詩の授業の導入に使っていた。ところが、小中の教科書に載るようになって、こちらが紹介しなくても、既に皆知るところとなり、触れるのを止めた。止めてから、もうだいぶたつ。 彼の故郷に個人美術館が出来たのも知っていて、十年ほど前、関東出張の折りに寄れないかと調べてみたが、桐生から足尾方面へ入らねばならず、交通の大動脈から外れていて、仕事の合間に行き着けるところではなかった。 今回の星野展は、だから、本当に久しぶりに彼の詩画との再会となった。観ると、やはり、一九八〇年すぎまでの詩は知っているものが多かったが、それ以降のものは初めて観るものばかり。画業が進展し、絵が多彩になり、色々な技法を身につけていることを知った。 障害と向き合ったもの、宗教的な精神が感じられるもの、ユーモアで成り立っているものなど、不運を受け入れて生を前向きに見つめる彼の世界は、観る人を素直な気持ちにさせ、自分の生の自己点検を迫ってくる。 首の骨を折ったのは一九七〇年のことという。モニターで当時の苦しさを訥々と語る本人が映されていたが、白髪交じりの初老の男性で、八一年に結婚して彼の画業を日々手伝っている夫人もまた御髪が白かった。事故後、四十年の歳月が経っていることに深い感慨を覚えた。 詩作と画業が、当初、彼の魂再生の原動力となった。おそらくその時の字句は、心の叫びとして溢れるように流れ出てきたものだろう。 しかし、心が安定し、人に温かい気持ちを向ける境地に至った後、彼はどうやって詩の精神を鼓舞し続けているのだろうか。絵は修練を重ねることでうまくなるが、詩の言葉はそうはいかない。その辺りの苦労を直接本人に聞きたいものだと思いながら、最近の作を眺めた。
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