ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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「和泉式部日記」が問題集に出てきたので解かねばならぬ。主語が省略されているので少々読みにくい面もあるが、帥の宮(敦道親王)とのやりとりが事細かに、且つ情趣豊かに描かれているのが面白い。三人称で書かれている上、客観的な叙述が顔を出すので、作者は本人ではなく日記風の物語だという説が根強いのもよく判る。 すぐに吐き出さなねばならぬので、ゆっくり調べることも出来ないが、和泉式部の略歴をおさらいする。知らなかったことも多く、資料を読めば読むほど、才気煥発、男を魅了するキラキラした魅力を発散させている様子が想像できて楽しかった。その時だけは、周りの現実を忘れ、あの時代に意識が飛んでいく。 「鴻門之会」は授業で。「始皇帝死後の混乱の中、項羽と劉邦、二人の英雄が出てね……」くらいで済まして、さっさと本文に入っていたのだが、今回、秦側の李斯や趙高の動きなども枕にしようと、久しぶりに調べ直した。これも調べれば調べるほど趙高の悪役ぶりが実に痛快で、仕事場の座席に座りながら、歴史を楽しんだ。 「建礼門院右京大夫集」の予習では、恋人、平資盛を調べていて、「平家」であれだけ持ち上げられている父重盛の親バカ愚行ぶりを知り、意外に思ったりした。殿下乗合事件を丸く収めたのは「平家」では重盛になっているが、子供に恥をかかせたと重盛のほうが執拗に基房を狙ったのが真相だというのである。ホントに知らないことばかり。 何処も汲々とした職場となっている中、こうした瞬間があるだけでも、よしとせねばならないのかもしれない。
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昨日、亡き父がお世話になった福祉団体の長が亡くなったと聞き、通夜に参列した。つい一ヶ月前、その方から感謝状を受け取ったばかり。その時はまったくお元気だったので、驚くばかり。喪主の挨拶によると脳梗塞とのこと。父が後進に道を譲って数年、亡くなって一年も経たぬのに、十五歳年下の現役の方があの世にいかれるとは……。今ごろ、父も「お前、なんでここに来たんだ!」と驚いているにちがいないと家族で話が出た。 先日参列したご葬儀の折り、「正信偈」が配られ、それを懐に入れていたので、一緒に唱和する。声の上がり下がりの符号がついているので読みやすく、これまでのように、じっと聞いているだけよりも、早く時が経った。 ここ石川は真宗王国、九割がた葬儀は今回のように真宗式で行われる。この前は、「正信偈」の後、「白骨の御文」なる蓮如の手紙を読み上げていたが、朝に生き夜に死す世の無常を説き、最後に阿弥陀仏を信じ念仏を唱えるようにと促す内容であった。また、我が家は、月に一度、亡父の法事があるので、その度に法然の遺言「一枚起請文」を唱和しているが、これも、ただただ念仏せよ、それ以外に奥義はないという内容。 宗派に違いはあるが、結局、私が聞いているお経は、ほとんど全部、理屈など考えず、阿弥陀仏を信じて一心に念仏を唱えよと言っているということになる。昔は、如何にも民衆仏教である鎌倉仏教らしいなというくらいにしか思わなかったが、理解不能な漢字の羅列のお経を読むにつけ、「これを深く勉強しないとあの世には行けないよ」と言われたら大変だったという思いを強くする。大切なことが書かれてあるから、全然、意味が分からなくても、横の振り仮名通りに読めばそれであの世に行けるよと言ってくれていて助かった、気を楽にしていられるという気持ちに最近なっている。 歳をとったのかもしれぬ。
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大学生を少し過ぎた頃、「うちのタマ知りませんか」のキャラクターを愛好したことがあった。岡本君という子供がタマがいなくなったと作文で訴えている短い文章があって、それに妙に思い入れしてしまったのであった。いまでも、そのキャラクターが頭についた小汚くなったシャープ・ペンシルがペンスタンドに刺さっていたりする。 新車の情報収集にと、この車に乗っている人のブログを何人も読んでいたら、「リラックマ」なるクマを飾っている人が多いことに気づき、画面を眺めていたら、そのユルいキャラクターが妙に好きになってきた。ただただ、のんべんだらりとしているだけのクマである。 そこで、カー用品店、衣料スーパーなどをまわって、車のクッション、家のタオルなどに使い始めた。大手コンビニチェーンがこのキャラクターでうまくご商売しているの気づき、それにもはまってみた。点数集めてキャラクターグッズ・ゲットである。ちょっと幼児退行現象気味? 行きつけない衣料スーパーなどに顔を出して、子連れの主婦と一緒にクマグッズを物色している様は、端からみると不気味だったかもしれないが、本人はといえば、ちょっと新鮮で面白かった。衣料スーパーが、常時安値なのにも結構びっくり。 そんな私のクッションを発見した生徒、「先生、リラックマ好きなん?」と聞いてきたので、「うん」と返事すると、衝撃的な返答が……。 「ふーん、先生と同類やね。」 「え!?」そ、それって……??
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新しい車には「燃費計」がついていて、運転者にエコ意識を強いる。今も購入以来リセットせずトータルでリッターあたり何キロ走るのかを示し続けている。 この車、かなり気を遣ってエコ運転に徹すると、百キロ超でもほとんど燃料計(フューエル・メーター)が下がらないので、相当いい数字を叩きだせそうなのだが、そうした運転はストレスがたまることたまること。 その反動で、時々、坂道などがあると、パワーが必要だからと心の中で言い訳をして、スポーツモード(Sモード)にシフトさせ、グイッと踏み込んでしまう。 いつまでも数値が上がらない「燃費計」を見ながら、結局、この燃費計の数値が、私の平常の心、心のバランスの有り様をしめしているのだということに気がついた。燃費を上げるには、まず、私自身を変えないといけないようだ。ムリ……。
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そう多くない平日休み、天気だったので、老母を連れ白山麓方面に。本当は一泊旅行を企画していたのだったが、前後に仕事があり、お手軽日帰りドライブに縮小。懸案になっていた鳥越の蕎麦屋さんをようやく見つけ、そこで昼食の後、老母の腰が痛くならない範囲で行くところまで行ってみようと白峰方面を進む。結局、薄く色づいた白山の山肌が見える別当出合まで行くことができた。ちょっと下がるとまだまだだが、登山口以上の標高ではそれなりの色。老母は生まれて初めて登山口まで登ったことになる。 帰りは、新築なった白峰温泉総湯で一風呂。スキー場が見渡せる景色のよいお風呂であった。白峰は二年ぶり。風呂は出来て一年たっていないという。ここの定番土産、橡餅と豆腐を買って帰宅の途につく。 どこも混んでおらず問題なく移動ができた平日ならではの秋の行楽。旅館で一泊、美味しいものをという本格骨休めはお預けとなった。
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引率業務で宿泊施設に泊まり、夜、入浴、髪が生乾きのまま寝たのだろう、朝、目覚めると、後頭部に違和感が……。「あ、しまった、寝癖になってしまった。」と思って頭頂部に手をやってびっくり。 禿げて坊主刈りのおっさんには、寝癖になるべき髪が、そもそも、ないのであった。 寝癖を気にしなくてもよくなって、もう相当の年月がたつ。ところが、寝起きには、現実の記憶がリセットされて、いつまでたってもふさふさしていた若い時の感覚に戻ってしまうようなのだ。 介護施設に入所している痴呆症の方は、一時帰宅で家に戻っていても、「家に帰りたい。」とだだをこねるのだそうだ。彼ら彼女らは、記憶の中の、自分が子供だった頃の家に帰りたがっているのだそうである。 そんな話を最近聞いたばかりだったので、それが重なって思い出され、何ともはや……の気分であった。
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車いじりの好きな人が買う車で、且つモデル末期車を買ったので、インターネット上には膨大な情報が蓄積されていた。買う前からその人たちのブログを読んでしまったので、どういう欠点があるとか、経年劣化するとどうなるとか、不満点を改善するにはどうしたらよいかとか、事細かに判ってしまっていた。 乗り始めて三ヶ月、今、ああ言っていたのはこのことだったかと確認作業をしているかのような日々を送っている。事前に色々わかっていることは安全上いいことだともいえるし、せっかくの新車なのに、乗り古した車に乗っているみたいで、新しい発見もなく、全然、面白くないともいえる。 ネット上には本当にたくさんの情報が溢れている。私はそれを喜び勇んで収集してしまったのだから、もちろん、文句を言う筋合いではない。しなければよかったのだから。しかし、目の前にパソコンがある以上、買う予定の車名を入れて検索してしまうのは人の情というものである。 現代人はこうして自分で「気づき」の楽しみの芽を摘むようなことを平気でしているのだろう。 このレベルのことなら何の問題もないが、伸び盛りの若い人が、何でもかんでもこれで済ますようになると、創造とか感性のレベルで大きな障害になってくるような気がする。よく言われていることだけれども、自分がやってしまって、しみじみと実感する。 森鴎外は、年齢を詐称して若くして学校に入学した。以後公式的にはその年齢で押し通した。その結果、知識ばかりが先行し、実体験が常に後からやってくる人生だった回想している。 おそらく私は、車が手元にやって来て、乗りながら、あれ、ここはどうなっているのだろうと思った時点で、インターネットを利用すればよかったのかもしれない。ただ、情報を収集している時、楽しかったことは間違いない。それでよしとするしかないかという気分である。
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車に乗り始めて以来お世話になっていた自動車保険の外交さん。毎年一回契約更新の時に職場に来られ、書類の判を促す。そんなお付き合いが四半世紀続いていた。近年はお歳を召されたこともあるのか、前以上に、すっと現れてすっと帰って行かれることが多くなった。 今年、車を替えた折、保険も自動車屋さんにお願いすることにした。その時、前の会社にもう更新はしない旨連絡をしておくようにと言われ、電話をしなければと思っていた矢先、その方から電話があった。仕事を辞めるので、お別れのご挨拶だという。保険を替えることにした旨を告げると、実は昨年あたりから辞めることを考えていたのだが、お宅さんに伝えてありましたかねと逆に聞かれてしまった。 いや、なんだか、ここのところそんな気がしていたのでと、ちょっとつっかえながら返事をする私。 丁寧なご挨拶の後、電話は切れた。淡いお付き合いではあったが、本当に長いお付き合いであった。後に耳に入ってきたところによると、介護がお忙しくなったとのこと。 この世は、誰が決めた訳でもないが、こんな妙に息のあったタイミングというものがある。神様が察してそういうふうにしたとでも考えるしかない機会や潮時。 今日、前の外交さんから業務を引き継ぎましたという葉書が来た。契約は十月中旬で終わり。半月足らず見ず知らずの方が私を担当することになる。
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仕事後、スーパー前の宝くじ売り場に寄ってサマージャンボの確認をしたら、何と! 一万円当選とのこと(嬉)。言われるままにオータムジャンボを十枚買う。スーパーで夕食の食材を少し買い、車に積んでいた夏物をクリーニングに出し、一万円が三千円となって帰宅した途端、新聞屋さんが集金に……。ネクタイをはずした時には、もうなーんにも残っていませんでしたとさ(悲)。
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お願い
この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
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