ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2009年02月07日 :: 漆器業界管見 |
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漆器店で感じたことがある。 奥に並んでいるのは、屠蘇注ぎ・お重などの正月用品、仏具・茶道具など現代生活には不要不急のものばかり。主力の塗り椀も、一家でそうたくさんはいらない。食以外でもっと生活に密着したものがあればいいのに……。 私は、万年筆を入れる筆箱があったらと思ったのだが、専用のものはなかった。宝石小箱がある程度。 丸善などの文具専門店には、筆記具の収納や持ち運びに便利なペンケース、万年筆箱、ペンスタンド、持ち手のついた抽斗付きトレイなど、普段の生活に合わせよく考えられた木工製品が売られていて、時々、筆記具ファンの話題にのぼっている。 まず、「毎日使うから質のいいものが欲しい」といったものを作らなくてはいけない。ブランドバックに大枚はたく今の世、高級品でも買う人は買う。そのためには、使う人がこれは便利と思う形や機能がなければならない。今、例にあげた木工品は、単なるウレタン塗装だった。あのよく考えられた機能で漆だったら、魅力はもっと増すはずである。 例えば、ある革屋さんが出しているペンケース。素材はいいものに違いないが、ペンとペンの間にしきりがなかった。筆記具趣味の人は、互いが擦れ合って軸に傷が付くのを極度に恐れる。それで、この製品は候補からはずれてしまう。 反対のこともある。先日、馬具屋さんと筆記具メーカーが提携したペンケースが発売された。革は文句なしだし、筆記具屋さんの助言が入って使い勝手がよさそうで、なかなか魅力的に仕上がっていた。 漆器業界も、まず、こうしたニーズのリサーチや掘り起こし、形・機能の吟味、魅力的なデザインという「商品開発」をした上で、漆の技術を生かす製品作りをすすめないといけない。ペンケースですといって、どれだけ表面に精緻な筆を加えても、単なる細長い箱だけでは、人は買わない。 そして、最後の努力として、その道具を使う業界の専門店で売るようにプッシュしなければならない。そこで初めて消費者が気づいてくれる。 漆は作家さんによる家内制手工業なので、個人ではそこまで手が回らず、なかなか難しい面もあるのだろうが、素人ながら、そんなところがすっぽり抜け落ちているような印象を持った店巡りだった。
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