ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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去年から今年にかけて日本語ブームだった。辞書や教科書の出版で堅い商売を続けていた大修館書店は、『問題な日本語』(北原保雄編著)がベストセーとなって、会社始まって以来の好景気になっているのではないだろうか。先日、販促品として、国語教員向けに「源氏物語絵葉書セット」を貰ったし、「今時言葉」をサンプリングするための「みんなで作ろう国語辞典」キャンペーンを開始したりと、なかなか元気がいい。 そんな中、柳の下、『続弾 問題な日本語』が出たので、早速、購った。この両書、説明と結論がわけて書いてあるので、分かりやすい。問題だと感ずる言葉は、これで、ほぼ網羅されているような気がする。私が気になって、この日記で触れた接客言葉なども、全部出ている。 それにしても、日本語ブームなのは、それだけ、言葉が乱れてきているからで、それのブレーキ現象だと思えば、素直に喜べないが、それでも、怒っているのは国語教員ばかりなりという状況よりは余程いい。乱れてきた理由は、言葉の基礎が定着していないから。小さいときから、丸覚えでこなしてきただけだからである。 先週はテストの丸つけ週間、その時つけた生徒の答案から。 「願(ねがはくは)」を何と読むか。「現代仮名遣いでもよい」と書いたら、何枚も「ねがわくわ」というのがあった。最後が助詞であることが分からないようだ。「せざるをえない」を「せざるおえない」と書く若者が多いと聞くが、それと同等の間違いである。 「庶(こいねがはくは)」では、「こいがねわくは」と字が入れ替わっているものが一クラス二枚ほどあった。そそっかしくて間違えたのではなく、もともと「乞い願はくは」の意であるという頭の中の漢字変換が出来ていないからである。単に丸覚えしただけ。 「侍る」「候ふ」が敬語三種類のどれかも問うた。見事にバラバラ。「お仕えする」という意味が出ていたら謙譲、「です。ます。ございます」だったら丁寧、それだけの区別なのに、結構、尊敬と書く輩が多い。 1、そもそも、「王様が美女をはべらせて」というではないか。 2、「侍(さむらい)」というのは、昔、宮中警護の北面の武士が成り上がったからで、原義は、貴族に「さぶらふ(お仕えする)」ではないか。 3、昔、手紙は「〜にござ候。」という文末ばっかりで、「候文」といったではないか。 このくらいの常識で、少なくとも尊敬でないことは、明々白々。私が高校の時でさえ、それぐらいは知っていた。でも、おそらく、今の高校生は、この三つとも知らない。「美女をはべらす」なんて確実に死語である。(つづく)
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