ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2005年12月09日 :: 澤野工房のCDを見つけた |
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澤野工房のCDを見つけた。昨日ふれた書店の二階は、メディア売り場になっていて、そこのクラシック・ジャスコーナーだけが他から囲ってあって、落ち着いた雰囲気に演出してある。その一画に澤野工房のジャズCDが陳列してあったのである。 ああ、これが話題の澤野工房かと、ちょっとした邂逅の喜びを感ずる。地方資本の店では思いもつかない商品展開のコンセプトで、そのあたりに競合店との差異性を図っているのだろう。隣の家電店のメディアコーナーでは、ジャズのDVDは一枚しか置いていなくて、今後、そこを覗かなくてもいいということが分かったし、この書店でも、中古コーナーでは、まともなジャズCDは十枚程度しかなく、今後、チェックは不要である。そんな中で、新譜で澤野工房が置いてあること自体、かなりはっきりとした戦略であることは間違いない。 大阪通天閣近くの履物屋さんがやり始めたジャズのマイナーレーベルがメジャーレーベルに飽きたらぬ層を開拓し、結構な売り上げを上げているというニュースは、マスコミにも取り上げられ、ジャズファン以外の人も知るところとなった。 テレビで観ると、お店は商店街の角、本当に履き物とCDとが並んで売られている。ネットで訪問記を書いている人によると、在庫は、家庭用のプラスチックの抽出し収納箱。ここが世界の音楽市場と繋がっているのかと思ってびっくりしたという。 先日、GYAO(ギャオ 有線放送が配信するインターネットテレビ)で、澤野氏自ら語りながら魅力を紹介する番組を視聴した。自分のいいと思ったものだけCD化するポリシーと、手作り感溢れる制作が、メジャーにはない魅力である。録音セッティングを音楽家自らにさせていたり、待望のグランドピアノでの録音と言っていたので、それじゃ、これまではアップライト録音なの?とびっくりしたり。 ジャズ界は、戦後、モダンジャズを牽引してきた巨人がほぼ死に絶え、今はお洒落なジャズが流行っている。工房の作品は、フランス、ロシア、オーストラリアなど米国市場から抜け落ちている国の、優秀だが無名のピアニストの紹介が中心で、エバンスの語法を完全にマスターした上で、ちょっとお洒落にした感じの人が多い。しっかり聴いてもよし。BGMにもよし。 澤野さん、ジャズ好きがこうじてこんな稼業に足突っ込んでしまいましたという感じの人で、それを知っているファンは、澤野工房のCDだから、アーティスト知らないけれど買ったという人も多いらしい。 狙ったわけではなく、彼の、自分が好きなジャズが業界から漏れているという、自分の感覚を対する自信が素晴らしい。 最近、一九六〇年代のコルトレーン(ts)あたりを通過した古株のファンは、大物のどっしりした新譜がなくなって、寂しい想いをしているのではないか。七〇年代からの私でさえ強く感じることである。昔に比べ、ジャズという音楽が、聴きやすくなり軽くなった。十五年ほど前から、大手でもヨーロッパの若手ピアノトリオに有名曲を弾かせて、お洒落なジャケットで売る商売が盛んだ。ジャズ専門誌も、それに合わせてか、尚古趣味的な名盤の詳細解説と、ヨーロッパの若手ジャズメンの紹介に紙面を費やすことが多くなった。 澤野さんの音楽、ネットで全枚視聴できる。そこで、いくつも聴いてみた。聞きやすく、ちょっと軽いけれど、スタンダード並べるばかりのお洒落系よりは、随分オリジナリティーがあり、ガッツのある演奏。それに無名を育てるインディーズ的立場、手作り感もいっぱいで、売らんかなの商業主義の匂いがしない。そのあたりが居所である。 熱心なファンになる気はないが、せっかく近所で売っている。話の種に一枚買おうと、今、さらに研究中である。
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この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
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