ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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2005年12月29日 :: 木村治美『エッセイを書くたしなみ』(文芸春秋社)を読む |
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生徒は冬休み中に本を五冊まで借りられる。読書好きの子は、話題の本をしっかり借りていった。今は『生協の白石さん』(講談社)なんかが大人気である。こちらも、それに刺激されて、いくつか借りてきた。その中の一冊。 作者は、一九七七年『黄昏のロンドンから』(PHP研究所)で大宅壮一賞を受賞し、ベストセラーになった人。当時、買って読んだが、読みやすいけれど、可もなく不可もなくといった印象だった。おそらくエッセイを味わうには若すぎたのだと思う。 この本、タイトル通り、エッセイを書く心構えや技術面のアドバイスが書かれてある随筆。長年、エッセイ執筆の指導をされている体験から出た話。 毎日、この日記を書いているので、いちいち納得することが多かった。そうそう、このことは私も感じていたという指摘が多い。それには気がつかなかったが、確かにそうだなあというのも幾つか。 私自身、耳の痛かった指摘は、以下の二つである。
・エッセイとは、もともと試論の意。途中も、あっちに寄りこっちに寄りでかまわないし、結論やオチを無理につけずともよい。 ・枕は長くなりがちになるので注意。全事実を言おうとすべきではない。本人には大事なことかもしれないが、肝心の後の話題がぼやけてしまう。
自分の文章を読んで、露払いの文章が最初にゴテゴテついていたり、最後に無理矢理オチをつけている文章が多いなと内心思っていたので、「恐れ入りました、以後、気をつけます。」である。貴方は如何? 技術的には、
・丸括弧を使わないで文章を進める書き方を習得せよ。 ・「〜こと」が多くなりがちなので注意せよ。 ・「私」は、ここぞという時以外は省略できる書き方をせよ。 ・そのままカギ括弧で区切っての引用はあまりに藝がない。自分の文章に うまく入れ込め。その際、「〜そうだ」「〜という」は最小限にせよ。 ・常套的な手垢の付いた表現を使う時は、「〜という言い方があるが、ま さにそれだった」というように、うまく逃げをうて。
などの指摘が参考になった。 そのまま技術指導書として項目を羅列してあるだけだったら、ハウツウ本になってしまうが、こうした、具体的な指摘が、随筆仕立ての文章の中で展開されていて、「読ませる」形になっているところがこの本の美点である。
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この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
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