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ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。

 内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。

 

・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。

 

エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」
           
http://hiyorigeta.exblog.jp/

 2007年03月11日
  (つづき)

 この逆転の印象は、開田展を見はじめてほどなく感じたのだが、それは、なにもここだけに限った話ではない。すでに終わった議論なのだということにもすぐ気づいた。おそらく、そうした現象が今のアートシーンの逞しさを支えている。
 昔々の、アートが上で消費されるデザインは下という階級化は、今や完全に相対化され、何をもって芸術性が高いかなどという問い自体が無意味になっている。現代を映しているものこそ現代芸術という前提なら、昔流行ったポップアートの果たした役割の一つである、難解から開放し大衆のもとへという精神の、増幅された「今」の行き着く先は、おそらく、孤独に「リアル・ユートピア」を夢見るほうではなく、皆と一緒に懐かしい「怪獣と二十世紀の夢」を紡ぐほうだ。
 現代の生活の中に、アートの要素は、以前に比べて大幅に入り込んできている。物があればよいという時代から、デザイン性の高いものを選ぶという時代へ。あらゆるものの洗練度はぐっと上がってきているし、消費者の審美眼も高くなっている。そうした美術の裾野の広範な拡大と受容者との密接な関係性にこそ「今」という時代の特徴がある。
 だとすれば、現代アートの表現行為に個の世界の淋しさを感じ、パッケージングやフィギィア、製品デザインなどに未来性や逞しさを感じるのは、まったくもってそれ自身がもつ性質なのであり、当たり前のことを思ったにすぎないと納得した。
 かたや中心部の特別展示室を何部屋も使った中心展示、かたや狭い小部屋一室での展示というあたりに、階級制の残滓があるようにも感ずる。公の美術館が「スターウォーズ展」をする時代、確か、昨年、政府も欧州で「オタク」「アキバ」をキーワードにしたジャパニーズ・コミック・カルチャー展をやったはずである。今後、特別展での思い切った展開を期待したい。
 今冬、オーソドックスな日本画・現代アート・商業イラストと、三者三様、多様な表現を観た。表現者は、一つの作品にこめる意味に止まらず、常にその形で表現をすること自体の意味も心に問わなければならないはずで、そんなことを突きつけられる今の時代、美術とは、楽しいけれど苦しい仕事だろうなと思わずにいられなかった。

 

[1] 

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 この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。

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