ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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最相葉月監修『星新一空想工房へようこそ』(とんぼの本) 私の若い頃、大ブームを巻き起こしたショートショートの名手、星新一を写真・イラストを中心にして紹介した本。経歴の紹介、関係者のエッセイ、詳細な年表からなる。「新潮文学アルバム」の「とんぼの本」版だと思えばよい。 星の作品は、小学校の時、友人から勧められて『ノックの音が』を読んだのが最初だった。それから文庫本が出る毎に何冊も読んだ。 教員になってほどなく、彼の「羽衣」という掌編を教材化した研究発表を聞いたことがある。原典と絡めて教えようとする内容だったが、聞いていて、何だか彼の作品が、古典教育のダシに使われているような内容で、本末転倒だと思った覚えがある。贔屓の引き倒し。 確かに、彼の作品は中学あたりの教科書に載っていることが多かった。でも、一体、国語教師は、どんな理屈をつけたして授業していたのだろう。教員が解説するショートショートなんて、どう考えても面白くなさそうだ。今、漱石の「夢十夜」の教材研究しているから、尚更、そう思うのかも知れない。 「面白い話やねえ。みんな、こんな変な夢見たことないかい。これはお話やさかい、うまくこしらえてあるけど、こんな夢、漱石さんは見たんやねえ。」 でいいではないかという思いがふつふつと湧くのである。 星の作品はSFなので、内容と実人生とをくっつけにくいのが難しいところ。この本によると、彼は膨大なメモ書きを読み返しながら、篩(ふる)いにかけ、格闘していると、ある瞬間、アイディアが神がかりのように降りてきたのだそうだ。それをストーリー化し、下書きし、しばらく時間をおいてから清書するという作業を地道に続けていたらしい。 日々、艱難辛苦していた様子はよくわかったが、このガイド本を読んでも、どこからあの奇想天外な発想が生まれるのか、創作の秘密は判らなかった。当たり前。
山本一力『くじら上手』(文藝春秋社) 池波正太郎を尊敬する時代小説の新しい旗手といった程度しか知らなかったので、まずエッセイからと手を出した。 読んで、新聞配達をはじめとして、若い頃からの苦労人で、勤め人時代も長かった方であることをを知る。世代的には私より上だが、ここで語られる昭和の日本は、同時代人として私も味わったものばかり。これが起こった時、私は何をしていたっけ? などと思い出しながら少しずつ読んでいった。 もともと「週刊文春」の連載もの。一編一編が短いのが少々残念。 正直、エッセイとしては標準レベル。
さくらももこ『焼そばうえだ』(小学館) お盆。暑くてへたばっている時は、さささっと、さくらももこ。と言うわけで読んだ本。 よく集まる仲間の一人、植田君にバリ島で焼そば屋をやって貰おうという思いつきを一年がかりで実現させる話なのだが、正直、全然、面白くない。多くの人に迷惑をかけて行われたお金持ちのおふざけという感じ。自分が言い出しっぺなのに、なんでこんなことしなくてはならないのか、泣きたくなったなどという身勝手な感想が書かれてある。そもそも本人が楽しんでいないのが致命的。
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