ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2010年04月11日 :: 井上ひさし氏死去 |
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「井上ひさし「ふふふふ」(講談社)を読む」 新刊のエッセイ集。「小説現代」に連載していたもの。憲法論議、政治・社会情勢への皮肉・憂いがほとんどのテーマ。それなりのご年齢となって、ご自分が思い描いた日本と違ってきている現状を、蜂の一刺しであったとしても筆でもって訴えるといった心境なのであろう。長年の読者として、彼の考えはよく判るし、共感もするのだが、エッセイ集として、時事問題ばかりでなく、昔話や蘊蓄話をもっと聞きたかった気もする。プロレスラーとなった神父の話「暴風神父」の明るい終わり方にほっとする。
以上の短い感想を、今朝、アップしようとパソコンをつけたら、そのご本人死去のニュースが目に飛び込んできた。昨年十月末に肺癌が発見され、抗癌剤治療を受けていたという。七十五歳。 高校生の頃からの愛読者で、まず軽妙なエッセイが大好きになり、「モッキンポット氏の後始末」他を読みあさった。その後、「手鎖心中」他の小説も読んだ。本業の戯曲を読んだのは少し後になってから。芝居も見始め、ト書きで書かれた戯曲を読むことに違和感を感じなくなって、観劇と並行的に読んでいった。こまつ座からのダイレクトメールも、ずっといただいていた。金沢市民劇場で井上芝居はよくかかるので、それで有名作は観ていたし、観たいと思っていた出世処女作「日本人のへそ」は、後に金沢公演があったので、遅ればせながら観た覚えがある。講演も五回は聞いている。 記事に「三十九年からは、五年間続いた「ひょっこりひょうたん島」の台本を童話・放送作家の山元護久とともに執筆、一躍人気を集めた」とあった。これはちょっと違う。業界での地位を確立したではあろうが、その時に台本作家として一躍有名になったのではなく、作家として有名になって、彼が、我々子供の頃、夢中になって観た人形劇を書いていた人だったと知ったのであった。それを知ってから彼の言葉遊びや歌が多用されている作品を観るたび、ああ、「ひょっこり」とおんなじだとうれしくなったものだ。「井上さん、またやってますねえ。」彼の作品が好きなのも、ひょこりでの刷り込みがあるからかもしれない。 新作を楽しみにしていた作家がまた一人いなくなった。愛読せる阿川弘之さんや丸谷才一さんはお元気だろうか。
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