ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2008年08月04日 :: 阿川弘之『大人の見識』(新潮新書)を読む |
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冒頭で「私は不見識」だよとさっさと断っている。確かに、かつて「瞬間湯沸かし器」とあだ名されたように、豪放磊落、泰然たる大人(たいじん)というような方ではなかった。だから、一面、本人の言う通りの部分もあって、阿川さんご自身、「これを、最初に書いておかなきゃなあ。」と思われたのだろう。なんとも微笑ましい。 ここのところ、藤原正彦の本や『女性の品格』なるベストセラーが出、品位・品格をキーワードにした類本が多く出ている。その柳の下企画の一つとして、文壇の長老、阿川弘之に喋らせようということになったのだろう。 大手出版社の売れ筋新書。阿川さん、久しぶりの平置き扱いになっていたのを見つけ、発売(昨年十一月)早々に買って「積ん読」のまま放置していたら、今年前半のベストセラーチャートでベストテンに入っていて驚いた。作者久しぶりの大ヒットではあるまいか。 口述筆記で、本人直接の筆になるものではない。しかし、漢学の教養ある言い回しなど、文章の品格は保たれている。 内容は、やはり戦時中の話が多い。でも、もう、こうした知識をさらさらと語られるのは、現役作家では彼ぐらいのものである。例を沢山出してきて判りやすく、爺やのお話を伺っているかの如き心持ちになる。イギリス式ユーモアを推奨し、杓子定規に事を行うのではなく、臨機応変、余裕のある対応をするのが大人の見識であるという、いつも持論を展開しているので、長年のファンには目新しいものではないが、圧倒的多数を占める初めての人には新鮮に映るだろうし、出版意図もそのあたりにある。 多くの先人の言葉を引用しながら進むので、ある種の名言集にもなっているところが特色。 売れ終わった頃に読んだので言う訳ではないが、売れたということは、御大の意見に耳をかさねばならぬと思った日本人が結構大勢いたということ。どのあたりの年齢層がベストセラーに押し上げたのだろうか。
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