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ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。

 内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。

 

・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。

 

エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」
           
http://hiyorigeta.exblog.jp/

 2006年08月18日
  お客が逃げていく
 夏の昼は、外に食べに行くことが多い。今日はどこにしようかと迷っていて、思い出したことがある。
  もう何年も前に潰れてしまったが、職場近くに店屋物屋さんがあった。丼や麺類など主力商品が美味しいからではなく、配達してくれて、サイドメニューの野菜餃子が美味しいというところが美点だったのに、お客に唆されて、ラーメン専門店に衣替えした。
 新築なって食べに行ったが、出前電話がかかってきても、ご主人、配達は当分しないつもりですと断っていて、ちょっと不安になった。案の定、長続きせず、住宅ごと売家になっていた。あのご家族、どうしたのやら。ビルの間借り店舗のころから知っていて、ゆっくり右肩上がりのご商売を続けてこられていたのに……。
  同じような話を、数珠繋ぎに思い出した。
 市北部の、とあるガソリンスタンド。二級国道沿いにある何の変哲もない店だったが、ある日、南部の我々のところにもチラシを打って、大改装オープンを謳っていた。給油機が何基も立ち並び、大量に処理できる造り。そんなに客がくるのかなあと、寄ってみたが、何と、狭い敷地に給油機を並べすぎて、切り返しをしないと通りに戻れない。微妙に不便だった。これも案の定、何年か後には潰れていた。
 あるお風呂屋さん。多くの銭湯が潰れたので、逆に、それなりに商売が成り立っていた。ある日、久しぶりに行ったら、洗い場の中央に小屋根の別室がどんと立っている。なにやら最新式の美容効能を謳ったもので、それを目玉に改装したらしいのだが、家の中に家が建っていて、その外で体洗っているような感覚になり、甚だしく違和感が残った。これも、暫くして売地になった。
 この三つ、これまで通り地道に続けていた方がよかったのに、改装で大失敗されたなと思ったので今でも覚えている事例。
 マーケットリサーチなどという今風の言葉とは無縁なご商売、ご主人の経験と勘でやってきた。それが、実入りが倍増しますよ、繁盛しますよと、専門業者に唆され、吟味不足のまま、繁盛の夢を見て、多額の借金をして改装してみたものの、どこかお客に違和感を与え、固定客さえ逃してしまう。ご主人は、みんなついてきてくれるものだと思い込んでいるから意外に思うが、もう手遅れ。前の店よりどんと売り上げを落とし、借金が返済できなくなって、夜逃げ。勝手な想像だけど、大体、そんな図式なのではあるまいか。
 ご商売は大変である。だからこそ面白いのだろうが、私には到底出来ない。もし私が大店のぼんぼんで、店を継いだら、「売家と唐様で書く三代目」となるのは確実である。
 そういえば、最近、あちこちで見かける閉店の張り紙。多くが素っ気なくて金釘流だ。常連としては色々事情を説明してほしいし、もう少し綺麗に書いてもいいのではないかと思うのだけれど、短くて下手な書きなぐりのほうが切迫感が出て、債権者に同情を買うので、それでいいのだという説を、丸谷才一あたりが唱えていたことを思い出した。あれはあれで深慮熟考した書きぶりなのかもしれない。
 失敗は失敗してから失敗だよと周りが教えてくれる。事前に気づかなかったのかというと、当事者は、やはり、気がつかなかったのだろう。
 客は、その店の、ということは、その店の主人の人柄を含んで、美点と欠点によく気づいている。常に周りと対話して情報を収集し、自己認識に努める。いいころを伸ばし、欠点を潰した上で、ジャンプアップする時には、いいところを生かすことを最大限に考える。長続きするにはこれしかない。
 この態度、何も商売ばかりのことではないなと思った途端、これ、部の訓話に使えるかも? と思ってしまった。
 イヤハヤ、お説教好きな教員稼業の哀しい性であります。
[1] 

お願い

 この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。

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