ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2011年12月07日 :: さようなら、九段下ビル |
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大学時代は九段から神保町あたりをウロウロしていたので、あのあたりは懐かしい。九段坂を下り、首都高の橋桁をくぐったすぐ左に、その古ぼけたモダンな建物はあった。当時からかなり古ぼけてはいたが、簿記学校などが入居していて、まだ現役で使われていた。なにも知らなかったが、倉庫が連なったような洋風建築の姿に、なにかいわれがあるのだろうくらいには思っていた。 数ヶ月前、ネットのニュースで取り壊しのことを知り、検索してみると、ビル内探索記があった。写真を見ると、上の階など老朽化というより廃墟一歩手前であることを知る。関東大震災を教訓に、頑丈な鉄筋コンクリートの集合住宅を作ったのがこの建物なのだという。かつての原宿表参道・同潤会アパートなどと同じ成り立ちのようだ。 今日、購読している地方紙にもこの記事が出ていた。いよいよ取り壊しが始まるらしい。昨年九月、九段下のホテルグランドパレスに宿泊したので、目と鼻の先まで行っていた。見納めをしておけばよかったと残念な気持ちが湧いたが、その時はもちろん知るよしもない。 記事によると、この建物、完成は昭和二年だという。同潤会アパートもまったく同時期の竣工。大正十二年に大震災があって、耐震の建物が企画され、設計、建築と数年かかって、ちょうどこの時期前後に続々と完成をみたのだろう。 実はこの年、我が生家も完成している。同潤会はすでに一足早く取り壊され、平成十八年に表参道ヒルズに生まれ変わっている。九段下ビルも御年八十数歳で命を閉じる。それに対して、同年生まれの木造洋館仕立ての家は、昨年、復刻リフォームされ、再度、命を全うすることとなった。願わくは、あと半世紀は生きながらえんことを。学校や病院などもそうだが、鉄筋コンクリートは思いの外、寿命が短い。九段のビルが同年生まれと知って、尚更いとおしくなったが、あの傷みかたでは致し方あるまい。 東京を去って三十年近い。懐かしい風景がまたひとつ消える。
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