ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2005年11月15日 :: 杉浦日向子『隠居の日向ぼっこ』(新潮社)を読む |
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NHKのバラエティ番組「お江戸でござる」で、江戸の生活を解説していた江戸風俗研究家杉浦日向子さんが四十六歳の若さで亡くなったのは今年七月のこと。人気コーナーだったのに降板してしまって、訝しく思っていたのだが、体をこわされてのことだったとは、死亡記事が出るまで知らなかった。私と同学年の人だったことも、その時気づいた。 私の書庫には、若い頃読んだ、興津要『江戸庶民の風俗と人情』(桜楓社)シリーズ四冊があって、これで結構、江戸町人の世界を理解した。だが、彼女の名解説のお陰で知った知識も数多い。ファンというわけではないが、番組前半のドタバタ喜劇をパスして、あのコーナーだけを観たこともあるくらいの好感度を持っていた。 あれだけ、江戸の庶民の生活に造詣が深い人である。大学の名物先生としても充分やっていけたと思う。これから知識が総括的になって、花開く時だったろうに……。 死因は咽頭癌。先日、短いながら、闘病の様子をテレビで紹介していた。最後まで生きる望みを捨てなかった彼女らしい末期(まつご)だったらしい。今頃あの世で、存分、好きなお酒を飲んでいることだろう。 この本、一か月前、デパートの客寄せ美術展に行った折りに見つけて、追悼気分で購ったもの。彼女の纏まった本を読むのは初めてであった。 内容は、櫛、手拭いなどの小物を女性らしい視点で取り上げた短いエッセイ集である。途中、彼女の漫画のコマが挿絵がわりに入る。江戸の風俗を紹介しつつも、自分の子供の頃、昭和三十年代あたりの風俗と照らし合わせているところに同世代を感じる。あの頃で途絶えた古き良き習俗は数多い。 もともと新聞の連載小コラム。ちょっと短すぎて展開不足なのが瑕瑾である。
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