ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2006年08月13日 :: 野坂昭如『「終戦日記」を読む』(NHK出版)を読む |
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年に一冊は、戦争について書かれた本を読もうと思って、数ヶ月前に購入していたもの。八月に入り、ニュースなどで戦争の話題が出て、モチベーションが上がり、一気に読んだ。もともと、二〇〇二年、NHK人間講座のテキストを単行本化したもので、分量は多くない。二〇〇五年六月の「あとがき」がつく。去年、戦後六十年として出版された本である。 有名無名の戦中戦後日記を紹介しながら、歴史的事実と子供だった自分の動きを交え感想を記していく形をとっている。 長年、多くの日記を収集し通覧したという。一般の人の日記は、日常の記録なので、日々の生活には詳しいが、戦争についての切実な文字を見つけることは難しく、やはり、文化人や直接政治にタッチした有名どころの、既に活字化されているものに意味のあるものが多いという。 野坂は、そこから、開戦以来、国民は何も考えないでおこうとする「思考停止状態」に陥っていたのではないかと気づく。 空襲・疎開の激動の時、彼自身は十四歳。見知らぬ福井で妹を死なせまいと精一杯だった。情報が入る状況ではないし、そもそも判断を下せる年齢でもない。 多くの日記を読むことは、彼にとって、あの時、まだ子供でよく判らなかったあの時代の意味を考えるということ、そして、その時代に生きた自分を見つめ、確定させる作業ということなのであろう。私は、全然、よい読者ではないが、彼の原点は、この短い文章からもよく判った。 彼の文体は、思いが先走るタイプで、文頭・文末が捻れている場合が多い。書いていて、次の思いが湧いてきて、それをそのまま終止しないで繋げるといったもの。慣れるまでは読みにくい文章であった。途中からはスムーズに読めたが、最後まで慣れなかったは、体言止めが多用されていることで、省略した文末をこちらが考えねばならず、時に単純でない場合もあって、これはちょっと不親切に思った。そのたび毎に立ち止まらねばならない。自分も注意が必要だと自戒しきり。
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