ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2006年08月28日 :: (つづき) |
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三月の日曜、トレーニングジムに行くと、その日に限ってガラガラだった。なぜだろうと考えて、すぐ気がついた。ワールドベースボールクラシックの対韓国戦をやっている真っ最中だった。後でニュースを見ると、視聴率は五十パーセントを超えていたそうだ。 それにしても、このところ、国をあげて熱狂することが多くなった。サッカーも人気スポーツになって、ワールドカップが大きく取り上げられるようになり、日韓共同開催以来、人気も定着した感がある。今年のドイツ大会は予選敗退だったが、それでも、国民あげて一喜一憂した。 明るい話題の少ない昨今、国民全体が盛り上がるいい話題ではないかという考え方もできる。しかし、私は、どうも斜に構えてしまうのだ。 昔、こうした場は、オリンピックくらいなものだった。しかし、サッカー、国際野球と、国威高揚の機会が増えた。若者が熱く「ニッポン」を連呼している。そこに違和感を持つ。 今読んでいる阿川弘之の随筆に、「愛国心などといふもの、持つたことも考へてみたことも無ささうな若者たちが、スポーツの試合で、日本選手日本チームの勝利に熱狂する光景」に危惧を示す文章を見つけた。阿川は、それが自虐史観による抑圧からの爆発ではないかという意味づけをするのだが、その当否は置くとしても、確かに、自分なりの確乎とした国家観や国際関係の認識がないまま、漫然と「日本勝った。バンザイ。」では、ちょっと怖い気がしないでもない。例えば、対戦相手のプレーの好悪がそのまま国際間の好悪にスライドしてしまうような「愚」が平気で起きるのではないか。それに、為政者にとって、思想のないナショナリズムほど御しやすいものはない。 今のような閉塞状況の中、人々は高揚感を求めている。時代がそうした気分の時、それに違和感を持っている「個」はどうしたらよいのだろう。世間の方向性が自分の思いと違う時、どう対応すればよいのだろう。 戦前を思う。日本が戦争にひた走る端緒は色々あっただろうし、それをひしひしと実感していた人たちも多かっただろう。だが、結局、それは個のレベルに止まって、一部の人以外は、時代の風潮に違和感を持ちつつ沈黙していた。声高に反対するわけでもなく、時代の流れだからといって、世間と折り合いをつけながら生きてきた。その結果があの敗戦である。 では、自分はどうなんだと時々自問する。理屈と優柔不断な心に引き裂かれる。そんな決断しなくてもよい一生になってくれればいいがと、淡々(あわあわ)と祈るのみという心持ちでこの思考はいつも終わる。 応援に交じれなかった被害妄想、「頑張れ! ニッポン」に水をさす偏屈ジジイの白けた意見かもしれないが、どれだけの人が、この心配をしているのだろう。 ちなみに、敗戦記念日の首相靖国参拝問題。緊急世論調査では、今回、意見を転換した人が少なからずいて、半数以上が賛成だったという。他国がとやかく言う筋合いでないというのがその理由だそうだ。
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