ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2006年08月30日 :: 「岡本太郎展」を観る |
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大阪万博の「太陽の塔」の作者として強烈な印象を与え、その後もテレビCMなどに出演し、「芸術は爆発だ」の台詞も、もう諺のようになっている(?)、日本でもっとも有名な前衛芸術家、故岡本太郎。七尾美術館でその「岡本太郎展」が開催中だったので、高校野球決勝戦の日、夏行楽第二弾にしてラスト企画として出掛けた。 背景を庭園にした通路スペースに、例の「太陽の塔」の縮尺作品が置かれていた。他の作品が並んでいても、そこだけ、何か親しい感じを観るものに与える。あれだけ、昭和四十五年、来る日も来る日もニュースで見た人物を象った造形である。本来的に奇抜なはずのものが、全然奇抜に見えず、懐かしい人にお会いしたかのように見えるのが面白かった。なにせ、顔が前面に二つ、背中にも一つある多重人格者である。 大阪万博のディテールの記憶が、人々から完全に失われても、あの「太陽の塔」だけは残るだろう。ほとんど大阪万博と言う言葉と等価の象徴性を帯びている。 おそらく、今から考えると、岡本の前向きで情熱的な芸術の発想と、楽天的ともいえたあの頃の高度成長経済の時代性が一致していたからだろうねえと、夫婦の会話にしては、ちょっと高尚に話し合った。お互い、あの頃は学童で、彼女は見には行ったが、遠巻きに塔を見た程度で、裏に顔があったかまでは覚えていないという。 絵画作品では、やはり「森の掟」の本物が見られたのがよかった。彼の代表作、日本の戦後抽象絵画といえば、まず、これである。例の画面の中心がジッパーの怪物の絵。シュールで、でも、すごく判りやすい。 写真も多く展示してあった。素人はだしで、縄文土器の写真など、サイドから光が当たって、ほとんど専門物撮り写真家のようである。 以前、NHK日曜美術館で、岡本の写真にスポットを当てた特集をやっていて興味深く見た覚えがある。彼が写真を手がけていたことは、その時はじめて知った。原色の派手な絵や造型作品しか知らなかったので、彼の違う一面を教えられた。すべて白黒写真で、あのアグレッシブな絵画に較べると地味な印象だが、彼における縄文の発見と、日本の伝統の中に見られる秘儀性の発見のプロセスとして、芸術的センスを加味して撮られたものと位置づけられ、彼自身の解説文と共に読むことで完結するタイプの作品群であると思う。(つづく)
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