ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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高校時代、出身中学校近くの本屋さんでかなり吟味をして国語辞典を買った。「新明解国語辞典 第二版」。幾つかの単語について、引き比べて、この辞典がかなりユニークな解説をしていることに、その時すぐに気がついた。すぐ気に入ったのだが、その時は、せっかく買うのだったら、ユニークよりオーソドックスなほうがいいかもと思って逡巡した覚えがある。どうしようかあっちこっちを立ち読みでめくっていた自分をはっきりと覚えている。だから、買ってからも、意味なく、色々あちこち引いて楽しんだ。若い頃は性的な言葉を引くもんである。「恋愛」の項は当時からかなり有名であった。 我々の業界では夙に有名なこの辞書の話は、赤瀬川原平「新解さんの秘密」で世間的にも有名になった。この本は、版別に違った場合も書いてあり、結構知っている話題もあったけど、旧版1冊しか持っていない長年のこの辞書の読者(?)も楽しめた。この辞書は言葉の用例にも癖があり、赤瀬川さんは、辞書の影に「女性にちょっと偏見がある中年男性の息づかい」みたいなものを抽出して面白がっていたはずである。 先週、三省堂の営業さんが来校。新版(第六版)が出たので宜しくとのことだった。3年ほど前、第五版を手に入れていたので、3つの新解さんを比べられるようになった。セールスの人によると、三版までが過激で、四版でぐっと穏やかになったのだという。どうりで五版はあまり面白くなかった。六版も同様。運用の項目がついたのが今回の目玉だという。 赤瀬川さんのお陰か、そんなにシェアもなかった一辞書が、今や、国語辞書総売り上げの四分の一を占めるトップ辞書になってしまった。過激で名を売って、温厚路線へ。その上、運用面の話がついてより使いやすくなる。商売上、如何にも正常進化である。 そのあたりをついたら、あの「中年男性のにおい」は、主幹の山田忠雄の個性の産物だといいわけしていた。彼が亡くなって、個人色が薄らいだということらしい。 で、結論。読んで楽しい新解さんは三版まで。商売柄、辞書は自然に手に入るので、どんどん旧版は捨てていたのだが、学生時代に自腹で買ったこの辞書、捨てなくてよかった。
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