ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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金沢市の繁華街、片町の老舗喫茶店「ぼたん」がこの二月十四日閉店した。女主人の御高齢(九十一歳)が理由だという。惜しむ声も多く、地元新聞でも大きく取り上げられていた。 私も何度か行ったことがある。ソファなど、傷んでいるといっていいくらいの古さで、若い頃、ここが金沢の喫茶店草分けの一つだからという社会見学的な気分で入ったのが最初だったような気がする。その後、これといった喫茶店がなくなって、消去法でここを利用した。最近は、そうした利用のされ方で、なんとか生き残ってきたように思う。 古くからの喫茶店といえば、昭和のモダンボーイ鞍さん(故人)がやっていた柿木畠の「金沢喫茶村」がすぐに思い浮かぶが、あそこが閉店してからもう十年以上たつ。老舗で今もやっていてるのは、同じく柿木畠の「芝生」、香林坊の「ローレンス」、竪町「犀せい」くらいのものである。 世に喫茶店文化というものがあったとしたなら、我々の世代は、その末端くらいに位置している。安保世代より下なので、ジャズ喫茶に入り浸りという、「まっただ中」の世代ではないが、高校時代、友達との待ち合わせなど、何かといえば喫茶店を使っていた。今の高校生が純喫茶なんかでコーヒー飲んで友達待っている図は想像できない。 あの頃、「禁煙室」(ノー・スモーキング・ルームということで、NSRと略して言っていた)という地元資本の喫茶店が全盛で、あちこちに支店を開いていた。そこで雑談に何時間も粘ったものだ。もちろん、喫茶店だから煙草はOKのお店なのだが、それを知らぬ煙草吸いの客が、店の前で慌てて火を消していたという話は、当時、誰でも知っていて、この店を語ると必ず出る話題だった。 喫茶店文化に翳りが見えたのは、マクドナルドやミスタードーナッツなどのファーストフード店が、竪町・香林坊に進出してきたころから。コーヒー一杯の値段で、ミスドはドーナッツ一個付くから、そっちのほうがリーズナブルということになった。待ち合わせはこっちで。それに深夜までやっているので、飲み会の酔い覚ましにも最適。これで個性のない店は一気に潰れた。息の根が止まったのは、ドトールコーヒーなど安価なスタンド型コーヒーショップチェーンが開店した頃。その後、中央で話題のスターバックスコーヒーが鳴り物入りで押し寄せてきて、これはもう死者に鞭打つ状態となった。 この流れ、飲み物の視点から大雑把に見ると、旧来の喫茶店が日本の珈琲文化を育てたが、最初、不味いけど安いコーヒーに押され、その後、安いがそれなりに美味しいコーヒーの驚異に晒され、今は、お洒落っぽい米国式バラエティ味付けの付加価値路線が流行中という具合になると理解してよいかと思う。(つづく)
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