ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。
エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」 http://hiyorigeta.exblog.jp/
こうして、繁華街にある昔ながらの喫茶店はぐっと数を減らしたが、では、東京にいた時、利用した喫茶店は健在だろうか。もう四半世紀も昔の話だがと、ちょっと懐かしくなって、恐る恐るネット検索した。 といっても貧乏学生、お茶を飲むという不要不急の行為にお金を払うこと自体、勇気がいった行動で、お茶なんぞを飲んだら、その日の夕飯が貧弱になること必定。だから、実は、入り浸ったサテンなんて一軒もないのである。行ったことがある程度だと思っていただきたい。 同じアパートで仲良くなった中年の女性によく連れて行ってもらったのが、高級喫茶店「ウエスト」目黒店。ここは健在だった。本業は洋菓子舗で、その喫茶部という扱い。銀座本店が世間的には有名である。コーヒーは普通の倍の値段で、当時、自腹で行ったことはなかった。彼女は、教育の行き届いた店員さんがおかわりを淹れに来てくれ、何時間いても居心地がいいところが気に入っていて、気分がいい時や何かお祝いしたい時、学生の私たちを誘ってくれた。 自分でよく入ったのは、古本の町、神保町界隈。古本探索で足が棒になるので、これは、已むに已まれず入る。思い出すのは、大型書店「書泉」の裏通り「ラドリオ」。ここや、神保町交差点近くの「さぼうる」は当時から有名だった。昔ながらの造りで、ちょっと暗い店内は、ゴチャゴチャと年季の入った調度品が懐かしい雰囲気を醸し出していた。これらは今も健在。 残念だったのは、同じく神保町交差点、白山通り裏にひっそりとあった「李白」。和の中の李朝といったしつらえと調度が、当時としては珍しかった。アジアンブームになるずっと前の話である。ここは、つい最近引っ越して店をたたんだという。 あと、東京の喫茶店といえば、必ず出てくるのが、中野の「クラシック」。近くに下宿している友人に連れて行ってもらった。これも話の種みたいな物見遊山である。終戦時を思い出すようなバラック、BGMはSPかなと思わせる音で、ミルクの入れ物はマヨネーズの赤い蓋、水はカップ酒の容器だった。これにはびっくりした。ここも、先代の死後、娘さんが後を継いでいたが、その方も亡くなり、去年閉鎖したという。 そういえば、ジャズ喫茶のオヤジという立場からジャズ雑誌に健筆を振っている某氏の店も、最近ライブハウスに鞍替えしたそうだ。古き良き文化としての喫茶店の灯は、今まさに消えようとしている。(つづく)
|
|
お願い
この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
感想をお寄せください。この「ものぐさ」のフォームは、コメントやトラックバックがあるブログ形式を採っておりません。ご面倒でも、左の運営者紹介BOXにあるアドレスを利用下さい。
(マイノートパソコンと今は無き時計 2005.6 リコー キャプリオGX8)
|