ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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数ヶ月ほど前、ある書店の中央平台に、大幅値引きされた本が置かれていた。いかにもゾッキ本らしいハウツー本も混じってはいるが、大手出版社の新本もあって、その中からこの本を選んだ。売価は定価の四分の一。文庫本程度の値段である。このシステム、どんな流通形態になっているのだろう。 内容は湯浅芳子との交友記。この方、お名前は聞いたことがあったが、人となりは初めて知った。なかなかに個性的な人である。常に男っぽい出で立ちをしていた今で言うレズビアン。宮本百合子との仲は有名だったそうで、宮本が逃げた後も、終生、彼女を好きだったらしい。田村俊子とも関係があったという。自由奔放に女を愛し、終生、御亭主然とした生活を送り、ズケズケ物を言って平気で人の心を傷つけるかと思えば、細やかな女性らしい心遣いも忘れない。 瀬戸内の文章は読みやすく、思った通りのことを率直に書きつづったというような筆づかいである。時間を追って伝記的に語るというのではなく、その回その回、ゆかりのエピソードを思い出して話を進めていくスタイルで、雑然としながらも、一編一編はエッセイとして独立して読むことができる。 もともと、PR誌「ちくま」に連載されたもの。以前、この小冊子を定期講読していたことがあった。すっかり忘れていたが、読みながら部分的に読んでいたことを思い出した。 野上弥生子、網野菊など名だたる女流たちが、彼女の我が儘に困り果てながらも付き合っている。当時、女性の物書きというのは特殊な世界、狭い業界ゆえに、女同士、寄り集まり濃密に付き合っていたのだろう。「女流文壇」という言葉が生きていた時代ならではの関係だなというのが一番の印象だった。(つづく)
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