ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2006年02月16日 :: 名無しの権兵衛が多くなった |
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何年くらい前からだろうか。提出された問題集に「名無しの権兵衛」が大量に出てきたのは。 昔もうっかり者はいたものだが、先日、手をつけたばかりの問題集を提出させたところ、一クラス平均六名は無記名だった。小学校の時、そうした教育がないがしろにされているからかなと思う。鉛筆の持ち方変な子が、クラスの三分の一(!)もいるくらいだから。 そこで、こっちは、マジックで、でかでかと「名無し」と書いて返す。一年間、それを見て嫌な思いをしてもらおうというのが趣旨である。 こんな時、未提出扱いになるわけだから、これは私ですと後で申し出るべきものだが、最近、いつまでたっても言いにこない生徒が混じるようになった。 かつて、実際にあったやりとり。 君はまだ提出していないねと、提出状況チェックすると、「出しました。」と言い張る。では、検印があるか見せなさいというと、出してきた問題集は、案の定、名無しであった。それじゃあ未提出と同じでしょうというと、「でも、出しましたから。」と悪びれずにいう。出したという事実は認めろというのである。感覚の違いにちょっとびっくりする。 ノートの名前も、表紙に書いていないものが時々ある。あっちこっち探すと裏表紙をめくった下あたりに小さく書いてあったりする。 そんなこんなで、点検作業は、昔に較べて手間が増えた。 そこで、こちらの予防策は、その場で、表紙や所定欄に書かせることである。ノート提出の時も一言添える。これ、四月中に結構する作業。 小学生じゃあるまいしと、最初は情けなく思っていたのだが、言わないと、結局、こっちが大変になる。よく仲間内でいうのは、悪気があるのではなく、今の子供は、常識や道理を知らないだけ。だから、いちいち言ってあげないといけないという理屈。そんなんじゃあ、人間育たないでしょうと、ちょっと納得しかねる部分もあるが、そう思って対応するしかない。 愚痴っていると、では、あなた自身はどうなのと反論がきそうだけれど、ええ、もちろん、ちゃんと書いていますよ。腰が痛くて、それで気が散って、見事に注意力散漫人間になっています。自分で自分が、全然、信用置けない。そこで、このところ、身の回りのものすべてに書いてます。別に書かなくてもいいのではと思われる小物にまでせっせと。職場で使っているもの、持ち運ぶものにいたっては、これでもか、これでどうだ状態。自分で言うのもなんだけど、ちょっと尋常ではない。でも、それくらいすると、結構、置き忘れても戻ってくる。 紙もの以外はシールを貼っている。ビニールを上からもう一度貼るタイプの「見出しタグ」。閻魔帳にクラス名などを書いて耳にする例のやつである。これだと表面に紙が露出していなので丈夫なのだが、愚妻からはダサイと大不評である。でも、この際、みっともないより実用本位。 と言うわけで、名前書きに関して、私は完全に模範生である。 問題の、名無しの生徒たち。これって、つまり、生き馬の目を抜くようなところでは、ちょっと生きる力に欠けているということになる。まあ、いい歳になって、重大な忘れ物をして痛い目にでもあえば、ちゃんと身につくのだろう。 本人はそれでいいとして、子供を教えているこっちは、以後、ずっと言い続けなければならないかといえば、実はそうとも限らない。教育はゆっくりながら是正する力をもっている。 例えば、発達の「達」の下の横棒が二本だけで「幸」になっている生徒さんが大量にいたのは一昔前のこと。正しい字を見て、なんだか一本多いような違和感があると言った子がいたくらいひどかった。このまま、そんな世の中になるのではないかと恐れていたが、ここ五六年、ぴったりとそんな生徒はいなくなった。おそらく、この話が小学校国語教育の方に行って、注意して教えるようになったのであろう。ある意味、見事な教育の成果である。
名無しの件も、こっちがギャアギャア言えば、十年後くらいには期待できるかもしれない。 ただ、それまで、こっちは、せっせと「お〜い、お前ら、ちゃんと名前書いてあるか確認しろ〜。」と、喚くしかなさそうである。
あ、でも、そのころには定年退職か。
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この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
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