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ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。

 内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。

 

・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。

 

エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」
           
http://hiyorigeta.exblog.jp/

 2011年10月16日
  食の世代論

 弓道合宿一泊二日。一日目の練習が終わり、宿舎に向かう途中、バスはコンビニに寄った。そこで買ったお菓子を食べている部員がいたので、夕食前にお菓子を食べるなんて、私らの世代は怒られたものだが、親に怒られないのかと尋ねたところ、一部の子は、「夕方はお腹すくので、六時半には夕飯を食べたいのだけど、出来上がるのが八時になるので、つなぎに間食をしたらいいと親の方が勧める。」ということだった。
  おそらく共稼ぎなのだろう。仕事をしていればさっさとは帰れない。職場を出、買い物をし、料理を作る。それで六時半一家団欒という訳にはどう考えたっていかない。現代の「食」事情がほの見えて興味深かった。
 今春、久米宏司会の食の崩壊を特集する番組を見た。若者のひどい食生活の話かと思ったら、焦点があたっていたのは今老年となっている世代。一種の世代論だった。
 今世間を引退して余生を送っている世代は、戦中、子供で食不足に直面し、まともな料理を味わっていない。だから本当の「お袋の味」を知らない世代、お袋の味が断絶してしまっている世代なのだという。彼女らは女性の社会進出第一号であり、若い頃はオフィス・ガールなど働く女性として過ごした経験を持つ。日本の経済状況が良くなるにつれ、冷凍が出て、レトルトが出て、という食革命の中、自分でそうした食材をアレンジして自分の料理、自分の味を決めていった。この世代は、だから料理は自分が編み出すもので、子供に自分の味を押しつけるのは間違っていると思っている。その結果、子供世代は母親の料理を伝承しておらず、かといって自分の味も確立していない。今五十代のいい歳の女性たちは、本来ならベテランになっていなければならないのだが、未だに料理に関しては母親のパラサイトのままである。その結果、当然、自分の子世代にも伝えるべきお袋の味をもっておらず、未だに自分の親、つまり祖母の手料理に依存しているという分析であった。今の食崩壊の遠因はあの戦争による断絶にあるという趣旨。
 こうした次の世代に「教えることの喪失」の上に、男女同権による家庭生活維持主体の曖昧化、冒頭の物理的時間確保の難しさが加わって、食を取り巻く環境は、もう誰の目にも安定を著しく欠いているのは明らかである。
 漱石は明治の文明摂取の早急さを懸念しつつも、どうしようもないこととして、無理して病気にならないようにやっていくしかないと曖昧な結論を下すしかなかったが、この話も、各家庭ごとに、病気にならないよう、あんじょう考え、上手にやっていくしか方法はないのかもしれない。

(あまりに納得できる世代論だったので、ほとんどその紹介となりました。ご容赦。)

[1] 

お願い

 この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。

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