ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2011年10月09日 :: 一瞬、迷子 |
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九月の三連休中、近江町市場を通った。地下のトイレに入ったので、その横の階段から上に出たが、東西南北が判らなくなって、一瞬、ラビリンス感覚を味わうこととなった。新しく建った区画のところだったということも関係がある。見知った四つ辻を見つけて、ようやく頭の地図と照らし合わせ、方向が定まった。ほんのしばらくのことだったけれど、眼前の風景が見知らぬもののように映り、ちょっと焦った。 市場のアーケードを抜け、パーキング横で愚妻運転の迎えの車を待っていると、観光バスの団体が、配られた市場の地図片手にぞくぞくと下りてくる。「○時○○分バス集合です。迷子にならないように。」と添乗員さんが大声で指示している。実際、迷大人(?)も多いのだろう。確かにここでは地図がいる。自分が迷ったばかりだったので断言できる(笑)。 そういえば、子供の頃、ここに連れられて来る毎に、しっかり付いてくるよう、親に口酸っぱく言われたことを思い出した。幼い私の方も、ここで迷子になったら大変だと思って必死についていったものだ。ちょっと見失ってプチ迷子になったことがあったような、いや無いような……。 小さい時、親を見失なったり、置いてきぼりを喰わされたりして、一人ぼっちだと感じた時の、あのわっと膨れあがる不安の感情の記憶が、大人になっても残っている人も多いのではないか。 当時、近江町市場は丸越デパートに買い物に行った帰りに寄ることが多かった。生ものだから買い物の最後にまわる。子供はデパートのお子様ランチだけを楽しみにしていたから、ここは正直そんなに面白くなかった。それはそうだ、子供は日々の食材調達に興味はない。もう目的は済んだ、早く帰りたいなあと思いながら、手を引かれ人の波をかき分けながら通路を進んでいたのだろう。最後に、バス停のある呉服店横の出口(今の名鉄エムザ口?)から出て、バスで帰った。なかなかバスが来なくて結構待ったことも覚えている。 あれから五十年近く。市場の店並みはそう変わっていない。そんな中、私だけが大人になって同じ場所を歩いているかのような感覚がふと湧いた。迷子になりかかったからこその感覚。時々そんな周りが止まっていてこちらだけが年をとるかのような錯覚を覚える。私は高齢になっても、何も変わらずここを歩き、いずれ私だけがふっと消えてなくなる。そんな空想。 それにしても迷子だなんて、いい歳をしてあの頃とあんまり変わっていないなあ。
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