ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2011年10月26日 :: 北杜夫死去 |
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昨日、帰宅後のテレビで丸谷才一の文化勲章受章を知る。八十六歳とあった。映し出された彼の顔は確かにご老人。大昔、著書サイン会でお目にかかったことがある。最近も精力的に執筆されていて、時々エッセイを買っている。昔ほどのキレがないのがちょっと残念ではあるが……。 今日の朝、北杜夫死去のニュースを聞く。八十四歳。一時期大ブームで、遠藤周作と並んで人気者であった。狐狸庵とマンボウの対談本とかいろいろ出ていて、彼の著作のほとんどを読んだ。最初読んだのは小学校高学年、「船乗りクプクプの冒険」だったような記憶がある。高校の頃は、大人も楽しめる童話「さみしい王様」が話題になっていて、確か読書感想文の課題図書になったはずである。小説では「幽霊」の瑞々しさに感激した。実質的な処女作。出版社に持ち込んだら小説は作文ではないと断られたというエピソードがある作品で、実際の出版は名が出てからのはずである。続編の「木精」は少々落ちる。マンボウものでは「青春記」や「追想記」が好きだった。 私は「航海記」「怪盗ジバコ」など楽しい作品を読んで興味をひかれ、「楡家の人々」「夜と霧の隅で」「白きたおやかな峰」などの真面目な作品へと読み進めたし、彼の本から辻邦生や佐藤愛子、阿川弘之を知ったりと読書が広がっていったので、狐狸庵とマンボウは私の読書の根っこのような人たちである。 最近はほとんど作品を書いておらず、阿川弘之との対談本でも、もうダメと愚痴る北に年上の阿川のほうが叱咤激励していた。 遠藤周作は一九九六年に七十三歳で没。もう亡くなって十五年もたつ。生きていれば今年八十八歳でる。今頃、あの世で二人楽しい対談をしていることだろう。さようなら北さん。 あの頃活躍していた人たちがどんどんいなくなって淋しいかぎり。合掌。
(追記) 27日(木)、「北陸中日新聞」の「中日春秋」に追悼文が載っていた。コラム子もまったく私と同じルートで純文学作品を読むようになったと記している。そんな子供たちは当時多かったに違いない。このコラム子は間違いなく同世代。昔、新聞の花形、コラムを書いている人はずっと大人だと思っていた。今は同世代の人が書いていることに多少の感慨があった。
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