ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2005年06月13日 :: テレビに出る? |
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1ヶ月ほど前、放送部の生徒がやってきて、方言についての番組を撮っているのだけれどコメントがほしいという。「方言は必要ですか。」「最近、学校教育で方言を大事にしようという考え方がありますが、賛成ですか。」というような質問だった。その場で慌てて考えて、骨子を説明したら、えらく生徒は喜んで、そんなコメントが欲しかったのですと、喜々として撮っていった。 私は、方言は、古い日本の言葉が多く残っているから、方言を勉強するということは、古典を学ぶことと同様、言葉の世界を豊かにするという話をしたのである。 例えば、こちらの方言で「きときとの魚」というは、新鮮な魚という意味だが、これはもともと「急いで、すぐに」の意味の「きと」の重語で、おそらく、すぐに海から持ってきた魚という意味である。 この話を、後で、司書の先生にすると、ピチピチというような擬態語的なニュアンスで使われているのかと思っていましたとのこと。確かに青魚の肌が光っているようなイメージがある。それも、おそらく含んではいるのだろう。
私は、高校時代、放送部だった。 彼らが喜んでいたのは、実は、よく分かる。 企画を立てる段階で、最終的にどういう結論にもっていくか、部員同士で話し合い、大筋を決めて置かねばならない。行き当たりばったりでインタビューを続けても、テープが溜まっていくだけで、収斂していく方向性が見えなくなって混乱するばかりである。途中の変更の余地は残しつつ、ある方向性のコメントを期待して、インタビューをしていく。 だが、思惑通りのコメントなど、そうそう取れるものではない。時に、制作者として心臓部だと思われるコメントを、「やらせ」ででっち上げることもある。番組中、何人かのインタビューが続くと、その最後のインタビューは、ちょっと怪しいことが多い。友達か誰かに頼んで言ってもらい、そのコメントを受けて、ナレーターや進行役は、話のまとめに入るのである。 このドキュメンタリー番組、地元NHKで賞をとり、先日、夜のゴールデンタイムに放送されたらしい。私は見ていないが、およそ八分ほどの長さだったという。 製作の裏事情はよくわかっている。おそらく、私のコメントは、最後の方の、結論的なところに挿入されたのではあるまいか。こちらは、国語が商売である。他の生徒や先生より、ちょっとは理屈っぽいコメントができる。だから、次の日、ある先生から、あれはやらせですかと聞かれた。違う違う。オリジナルです。 この日、一番困ったのは、小部屋にいて、多くの先生方と頻繁にお会いすることがなくなっているので、教室前廊下ですれ違った方に、お久しぶりですねと声を掛けたところ、「いえ、あなたとは、昨日、テレビでお会いしました。」と言われたことである。
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この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
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