ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2006年11月02日 :: 秋の休日を過ごす |
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先の休日、県漆藝界の巨星だった故松田権六の作品展「松田権六の世界」を、石川県立美術館に観に行った。以前にも彼の展覧会を観た覚えがあったが、会場に掲げてあった「年表」によると、死の翌年にあったものを私は観たらしい。それ以後も、県立美術館を中心に県内にいくつかの所蔵があり、観る機会は多かった。 彼の作風は、日本の伝統的図案の深い研究態度から出たオーソドックスな意匠の中に、決して表立たないが、どこかモダンな部分を併せ持っていて、保守層から現代主義的な層まで、広範なファンを納得させる懐の深さを持っている。例えば、調度品の端、段差のある縁の部分の、昔なら描かないようなところまで図柄の続きが描かれていて、そうしたところに現代の芸術家らしい主張がすっと表出されているように思う。 伝統の部分においても、万葉の時代から光琳風まで、時代が融合しているようなところがあって、蒔絵の文様の集大成といった大きさを感じさせる。並の人間国宝が束になってもかなわない斯界の泰斗だということを改めて感じた。 会場は、第二部として彼の芸術の素地になった研究対象や下絵などの資料の展示、第三部として弟子筋の作品も併設展示され、多角的に理解できるようになっている。この日、最終日だったせいもあり、多くの観覧者が訪れていた。
見終わった後、時間があったので、館の前の金沢神社周辺を散策した。 金城霊沢の水は、手入れがされて昔よりきれいになっていた。風がないのに水面が微かにさざめいている。今でも幾ばくかの湧水があるのだろう。境内では、菅公に合格を祈る絵馬の白木が折からの陽光に映えている。 秋の過ごしやすい日々もそろそろ終わり近くなってきた。例年なら、もう冬の前触れを感じさせる日が混じっても不思議ではない時候である。大きく遠出することのなくなった身に、こうした好天のプチ散歩は、先日の父と同じく大事な憩いのひとときである。 秋を惜しむ気持ちが年々強くなっている。極寒の季節を越す労苦は、太古の昔、今と較べものにならないものだったろう。秋の平安の永くあれかしとの思いは、今の世を過ぐす老悖予備軍の私もなんら変わりがない。
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