ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2006年11月09日 :: 山代の湯に入りながら考えた |
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親戚の集まりがあって、山代温泉の旅館で一泊した。車で一時間、運転は妻任せ。職場の忘年会以外で加賀温泉郷に泊まるのは久しぶりである。 宴会前の大浴場では、各地の方言が飛び交い、遠来の客が多いことが知られた。 湯船に浸かっていると、「ここはかけ流しじゃないね。」という会話が聞こえてきた。上がった脱衣場でも、西国訛りの別人が同様のことを言っている。ちょっと侮蔑のニュアンスが入っているような感じである。 この「かけ流し」という言葉、温泉業界では以前から使われていたのかもしれないが、人口に膾炙するようになったのは、比較的最近のことである。テレビの旅番組の影響で広まった言葉というイメージがあるが、どうだろう。ある温泉のHPによると、「温泉を湯船に流しっぱなしにして、加えている量だけ使い捨てている。」という意味だそうで、「少しでも循環した湯が混ざった場合は、かけ流しとは言えません。」と誇らしげに注意書きがしてあった。 山代は、人口一万三千人を有する平地の一大歓楽温泉街。商店・飲食店は三百を超え、旅館数は二十四ある。収容人員何百人というホテルが建ち並ぶ、そんな中の、百人は平気で入る大湯船がお湯捨て放題のわけがない。使い切れなくてそのままたれ流しているのは、山奥の一軒宿、山あいの鄙びた温泉場といったところだろう。湯量が相当豊富な中規模温泉地でなんとかその範疇に入るところもあるかもしれないが、そんなところはごく一部。純粋な源泉かけ流しにこだわれば、それこそ「秘湯めぐり」の世界である。 お客の要求が過度に贅沢になっている。ここはそういうことを要求する場所ではないのだというお客側の欲望の歩留まりがなくなっている。私はそう思い、喋っている人をちょっと嫌な気持ちで見た。 旅館業は大変そうだと、体拭き拭き、関係者に深くご同情申し上げたのだが、すぐに、今の時代、どんな商売でもそうなっていると思い直して、同情するのはやめにした。 昨今の教育界を揺るがしている単位未履修問題も、様々な要因があるが、その一つに顧客ニーズを優先した結果といった面がある。ゆったりした気分で広げた温泉の朝の新聞にも、「未履修」の字が大きく躍っていた。 だが、私の目は、下の方に小さくあった「足立区が学力テストの結果で学校分配金に数百万円単位の差をつけることに」という記事に釘付けになった。これでは、生徒の成績が営業マンの売り上げグラフと同じになる。 悪いのは学校だけだろうか。
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