ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2006年11月27日 :: リズムを刻む |
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今年は、秋にビッグアーティストが金沢に来なかったので、その分、恒例の「ビッグアップル・イン野々市」のチケットを早々に買って、二十六日を楽しみに待っていた。今年はジョン(b)とジェフ(as)のクレイトンブラザーズ。兄のジョンが率いるビッグバンドは、近年、一流の名をほしいままにしている。 今回はスモールコンボでの演奏。基本的にはオーソドックスなハードバップながら、よく聴くとテーマ部の合奏でかなり細かいアレンジが施されている。だから、その部分も聞き所で、安易なソロ回しに終わっていない。 それは、彼の曲を取り上げた地元ムーンライトジャズオーケストラの演奏を聴いても感じたこと。豪快にスイングする判りやすさは維持しつつ、吹奏に強弱をつけたり、音をわざわざフラットさせたり、なかなか手が込んでいる。ベイシーサウンドでは飽き足らない耳の肥えた層も音楽的に満足できるし、演奏者側も適度な難度があって挑戦のしがいがあるのではないか。決してソロプレーヤーとしてビッグネームではなかった彼が、編曲家・リーダー・指揮者・教育者として、近年、うなぎのぼりに評価を高め尊敬を集めているのが判るような気がした。 ピアノは予定されていた子息から一流どころのベニー・グリーンに変更されていて、これは儲けものだった。去年、コンコードで来日した際は、ギタリストとのデュオだったので、落ち着いた演奏に終始したが、今回は、水を得た魚の如くノリのよい演奏を聴かせた。彼の参加によって、多弁な中に持ち前のブルースフィーリングの効いた厚みのある響きが加わっていたように思う。速い運指も楽々こなし、オンリズムのソロも親しみやすいパッセージの連続で、嬉々として弾いている感じだった。 それにしても、このリズム隊の安定感こそ本場ものという気がする。日本人の演奏が続いた後、第二部で彼らが登場し音を出した途端、ぐっと音が締まってリズムが生き生きとうねりだした。その上、冒頭、アップテンポを二曲続けて一気に聴衆を乗せ、アルコ弾きのムーディな曲でしみじみとさせるなど展開も手慣れていて、ジャズファンを一気に魅了させた。 トランペットがバラードを奏でている時、私はふとステージの足元を見た。超スロー曲にもかかわらず、ペット奏者はしっかり足でリズムを刻んでいた。横のベニーに眼を移すと彼も。そして奥のジョンも足踏みをしている。その足の動きが全く同じ。多分、テンポが遅いほどそれは重要な行為なのだろう。 ジャズマンのリズム感は天性のもののように思われがちだが、無意識にせよタイムキープの努力の賜物として、あのリズム感が生まれているということをその瞬間知った。この日一番の発見だった。
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