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ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。

 内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。

 

・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。

 

エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」
           
http://hiyorigeta.exblog.jp/

 2006年06月19日
  ジュリアード・ジャズ・オーケストラ金沢公演を聴く

 マイナーな音楽ジャズ。その上、学生バンドなのにそれなりのお金をとる。金沢のような地方都市クラスで集客が期待できるのか、他人事ながら心配しつつ、特に行く気のなかったコンサート。しかし、前座に前任校の吹奏楽部が出演する関係で、直前に、関係者割引のチケットが手に入り、急遽、夫婦で行くことにした。
 ジュリアードの優等生ウイントン・マルサリス(tp)が「ジャズ・アット・リンカーンセンター」のシリーズを開催し始めたのは今から二十年以上前のこと。それが、正式に組織として動き出し、二〇〇四年一〇月には、マンハッタン島セントラルパーク端コロンバスサークルにジャズ専用ホール「ジャズ・アット・リンカーンセンター」(タイムワーナー・センター5、6階)も出来た。その模様は、購読している専門誌でも大きく報じられ、ジャズに詳しいDJ小川もこがオープンイベントに参加して撮ってきた写真も、HPで観て、その場の雰囲気を味わった。
 アメリカは、ここのところ自国発祥の音楽を古典藝能として尊重し、保護育成に力を入れはじめている。ちょっと皮肉っぽく言うと、これは、ジャズシーンがかつての勢いをなくして、面白くなくなったのと歩を一にしている。筋金入りのモダンジャズファンから言わせると、ウイントンらが、伝統なんぞを叫んで、古いニューオリンズジャズに回帰しているからこんなことになるんだと言いたいのではないだろうか。これ、いくらジャパニーズ演歌が好きだからといって、浪花節まで好きだとは限らないのと同じようなところがある。
 でも、自国文化の伝承を唱えている人たちに、他国人が文句をいう筋合いはない。ただ、何だか、これまで、時代と共に歩んできたアクチュアリティのある音楽として聴いていた大好きなジャンルが、急に黴の生えた古典藝能扱いになって、ちょっと情けないだけである。そうして、向こうでは着実に偉くなっているウイントンの音楽、全然、面白くないなあと、ちっちゃな声で文句言うのが関の山。
 こうした下地を経て、クラシックの名門ジュリアード音楽院が、四年制ジャズ科を加えたのも、やはり、この二〇〇四年のことだそうだ。日本で言うと、西洋音楽の総本山、東京芸大に、戦後、急遽、邦楽科が出来たようなものである。
 今回の演奏会は、そのエリート学生さんたちの海外武者修行である。
 第一部は、「ガールトーク」などお馴染みの曲で楽しませ、この路線でいくのかなと思っていたら、二部ではサド・ジョーンズ(tp)のアレンジメントなど比較的難度の高い曲やメンバーの書いた編曲が並び、先生にしごかれていますといった匂いがしてきて微笑ましかった。それをピシッと外さずキメてくるところはさすがエリートである。
 ほぼ全員ソロをとったが、皆、上手い。すぐにクラブギグに出られそうな人ばかり。あえて難癖つけるとすれば、手の内が豊富でないというか、語彙が若干不足しているようだが、それはこれからの経験次第である。
 メンバーに邦人が混じっていて、こんなところにまでと日本人の進出に驚いた。特にベーシストはパワーがあり注目株。パンフレットの惹句は「最高の教授陣に磨かれた、未来のスーパースターたち」となっている。確か、ナカムラ・ナントカさんと言っていた。覚えておこう。
 もう一人、日本人ピアニストがいた。彼女はバンドマスターの言葉を聞き取り、曲紹介をしてくれていたのだけれど、ある時、次の曲は、アントニオ・カルロス・ジョビンの「アクア・ジ・ベベ」ですと、そのまま鸚鵡返しに紹介した。聴いたことのない曲名だったので、どんな曲だろうと思っていたら、曲が始まった途端わかった。なんだ「おいしい水」ではないか。確かに水だからアクアだ。
 そこで、宿題にして、家に帰って手持ちのCDで調べると、横文字で「Agua De Beber(アクア・ジ・ベベール)」とある。アストラット・ジルベルトの有名バージョンで、歌詞をしっかり聴くと、後半のリフのところで、たしかに「アクア・ジ・ベベーッ、カマラ(Água de beber camará )」と繰り返している。
「あなたは愛の水、私は花、水が無ければ私は枯れてしまう……。」
 おそらく彼女は
、この曲、アメリカに行って譜面から入ったのだろう。当然、譜面の表題は横文字で書かれている。だから、日本で何というのか知らないのだ。そんなところに若さを感じた。これからの勉強に期待しよう。
 行く前、チケット仲介の労をとって下さった独身のF先生に、「勤務終了直後、夫婦共々職場を飛び出しさえしたら、リッチに繁華街で外食してから、コンサート聴けますね。」と言われたのだけれど、そんなこと無理である。女性が一度家に帰ったら、やれ、服を着替えるだの、化粧直しだの、トイレだのと、再び家を出るまでに最低三十分はかかる。悠長に食事などを入れられる訳がない。
  F先生。まだまだ「女修行」が足りないねえ。

[1] 

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 この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。

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