ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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2006年06月10日 :: 第五十五回金沢百万石まつりを観る |
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金沢駅鼓門夕方出発になり、行列の見直しをしたリニューアル初年の今年、十年ぶりに見物に行く。曇天で暑くもなく寒くもない、ちょうどよい日和だった。二時間前に駅に着いたが、既に予想以上の人出で混み合っていた。場所を求めて武蔵が辻方面に流れ歩き、複合ビル、リファーレ前の沿道で行列を待つことにする。 後で、金沢情報発信系のブログにアップされた写真を見ると、多くの写真好きが駅周辺でシャッターを切っていたことが判る。初めてのコースで鼓門がバック。絵になると踏んだわけで、考えることは皆一緒である。 日頃、通り過ぎるだけの歩道に、多くの見物客が陣取る。マナー違反の敷物ガムテープ止めでの確保組あり、空きを見つけ、がっぱになって(金沢弁…真剣且つ性急に)駆け寄る幼児連れあり。 ちょっと羽目が外れ気味の人々にも警察は、極力ソフトに対応している。 我々が座った縁石の隣では、オバチャンがちゃべちゃべと(金沢弁…あれこれお節介に)喋りまくり、酔っぱらいの観光客は、行列がつかえて立ち止まった火消しに、纒(まとい)を振ってくれと大声で所望したり。 様々な人間の、ちょっとしたアクのようなものが表立つ。何をするところまでは問題がないのか、マナーや常識のラインが微妙に人それぞれ違う。 押しくら饅頭のように身を寄せ合って見るお祭り。でも、どことなく、収まるところに収まって、皆、楽しんでいた。 終了後、歩行者天国状態になった大通りや尾山神社前通りを歩いて帰る。お城方面の小路から、普段着に戻ってはいるが、髪の結い方でバトンガールだとすぐに判る女の子たちや、纒を今度は肩に引っ担いでブラブラ戻っていく半纏姿の消防団員が行き過ぎる。 交通規制の中、今年から、ど真ん中の金沢城址で解散するので、出演者の多くが、三々五々、東西南北に帰宅道を模索しながら歩いて帰っていく。そんな様子が新鮮に映った。 屋台店が連なる中央公園横では、高校生たちが大勢たむろして楽しんでいる。勤務校の制服を着た生徒も多数発見。制服で祭りに来ているような子は問題のない子ばかりだが、向こうは、こんな時に「センセー」の顔を見ただけでげっそりだろう。こっちも見たくない光景を見てしまう可能性も高い。帽子を深々と被って、伏し目がちに通り過ぎる。 こんな時、全然楽しめないのが、この仕事の嫌なところである。
四キロの道のり。腰痛以来最長の歩行距離をこなして、目出度いのだが、最後の一キロくらいで、はっきり辛くなって、五十メートルおきに立ち止まりつつ、ようよう家に辿り着く。その話を老父にすると、お前はまだ若いから、だましだましが効くけれど、もう少し歳になると、その段階であとは身動きとれず、寝込むことになるよと脅かされる。 現状認識。どんなに頑張っても四キロが限界、その範囲で人生を動かすこと。それが判った一日。
(終了直後。押し合いへし合いした観客がさっとはける)
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