ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。
エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」 http://hiyorigeta.exblog.jp/
|
2006年07月01日 :: 夜の病院 |
|
|
老父が退院して実家に戻った。内蔵手術自体の回復は順調だったが、年来の膝痛持ち。年を追う毎に足腰が弱っていた上に、立て続けの手術で、ベットの上が長期になって、歩行が不安定になっていた。 病院は、術後経過こそ心配してくれるが、運動能力低下はフォローしてくれない。入院中、特にプログラムが組まれている訳でもない。「手術成功して寝たきりになって戻ってきました」なんてことにならないよう本人が頑張るしかない。 そこで私は、見舞いに行くと、父の歩行訓練の手引きをすることになった。 最初は病室の階をぐるぐると。最後の方は一階ロビーや外来にも足を伸ばした。 昼間多くの人が行き来し、職員が立ち働いている一階も、夜は静まりかえり、闇の中に緑の非常灯が床を照らしてる。その落差が、ちょっと病棟とは違う雰囲気を醸し出している。 そんな中、声の大きな二人が雑談しながらゆっくりゆっくり歩く。十分毎に待合い椅子で一休みの繰り返し。 先日、ロビーの吹き抜けに巨大な七夕飾りが出現した。横を通った時、明かりにかざして願いごとの短冊を読んでみる。多くは患者の書いたものだが、一つ、「ノー残業デイの実施と給料アップを。それに患者さんのご快復を。」というのがあって、いずこも同じと笑った。書き手はまず看護士さんである。そんなの見つけたと父に報告。 たわいのない一休みの会話。 でも、こんな暗い誰もいないロビーに親子が座って、ゆっくり雑談する。ずっと覚えている光景のような気がする。 点滴だけで栄養をとっていた要安静の頃は、会話が噛み合わなかったり要領を得なかったりして、ボケを心配したが、長時間座ることができるようになり、軟飯に戻ったころからは、理屈も整ってきて、普通になってきた。 健常者でも、横になっているとぼんやりしてくるもの。脳は真っ直ぐにしていて、はじめて動き出す。そうした姿勢の問題と、お腹が減ると力がでないのと同様、脳も栄養が足りないと動いてくれないのだろう。 人間の体はなんと即物的なことよ。回復の様子を観察してそう思ったと、退院間際、本人に話したら、「そうか? 最初、そんなにぼけていたっけなあ。」と、ちょっと不服そうであった。 まあ、当人からすればそんなものなのかもしれない。もちろん、その方が幸福にちがいない。
|
|
|
|
|
|
お願い
この日記には教育についてのコメントが出てきます。時に辛口のことも多いのですが、これは、あくまでも個人的な感想であり、よりよい教育への提言でもあります。守秘義務や中傷にならないよう配慮しているつもりです。 もし、問題になりそうな部分がありましたら、メールにてお知らせください。
感想をお寄せください。この「ものぐさ」のフォームは、コメントやトラックバックがあるブログ形式を採っておりません。ご面倒でも、左の運営者紹介BOXにあるアドレスを利用下さい。
(マイノートパソコンと今は無き時計 2005.6 リコー キャプリオGX8)
|