ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。
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入院中に酒が飲める訳でもないのに、酒のエッセイでもあるまいという気もしたが、作者は、女流歌人俵万智ちゃんである。気取った蘊蓄話で鼻白むこともあるまいと気軽に読み始めた。 「朝日新聞」夕刊に連載されたもので、時にお店や酒の紹介も混ざるが、単なるガイドにはなっていない。その時その時の彼女の生活をうまく酒に絡ませて同時的に伝えている。エッセイストとして、つまり、書き物のプロとして、万智ちゃん、コツを掴んでいる、うまくなったなというのが正直な感想。 それにしても、彼女は酒豪である。健康診断前日、お酒は「ひかえめに」と書いてあって、決して禁止と書いてないことに喜び、缶ビール1本、ワイン半本、ウオッカ2杯嗜んでいる(「人間ドック」)。これだけの量で、彼女にとってはほどほどなのかと、ちょっと驚いた。和洋の酒の蘊蓄も深く、酒の随筆を書いても充分な有資格者である。 近年の話題は、彼女がゴールデン街で働いていて、未婚の母となるということ。去年だったか、インターネットのニュースになっているのを見つけ、驚いた。この新宿に働きに出たことについては、巻末「ゴールデン街アルバイト日記」に詳しく報告されている。 この歌人、身を削って文学を紡いでいく、古い私小説型の体質の人だと、以前論じたことがあった(そもそも、文学者というもはそうしたものだともいえ、そこがライターではなく、歌人たる所以なのだが……)。今回のエッセイでも、そうした片鱗は、やはり、あちらこちらにふっと表出されていて、そこが個人的には興味深かった。 彼女、世間的に名の知れた有名人で、それに乗っかって安全に仕事をつづけようとすればできる人なのだが、そうはしないだろう。彼女が創作を続ける限り、常識にとらわれない生き方をし続けるのではないかと思われた。 あの時、ニュースを聞いて、万智ちゃん、ちょっと人生を誤ったのではないかと思ったのだが、今回、これを読んで、少し納得したものを感じた。
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