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ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。

 内容は、文学・言葉・読書・ジャズ・金沢・教育・カメラ写真・弓道など。一週間に2回程度の更新ペースですが、休日に書いたものを日を散らしてアップしているので、オン・タイムではありません。以前の日記に行くには、左上の<前月>の文字をクリックして下さい。

 

・XP終了に伴い、この日誌の更新ができなくなりました。この日誌の部分は、別のブログに移動します。アドレスは下記です。

 

エキサイトブログ 「金沢日和下駄〜ものぐさ〜」
           
http://hiyorigeta.exblog.jp/

 2005年07月23日
  毎日毎日、読解、読解。
  一昨日より、生徒は夏休みとなった。1、2年生は、成績不振者以外、旧盆すぎの後期補習開始まで無罪放免。3年は前後期とも補習である。生徒と同様、こっちも、入試問題集(「河合塾2006マーク式総合問題集国語」(河合出版))をせっせと解いている。毎回、どう教えるかも考えねばならず、ルーティン化した日頃の授業より、よほど気が重い。せっかく解いたからといって、毎年使える訳でもない。労力のコストパフォーマンス(?)は極めて悪いのである。
  夏休み中も完全出校となって以来、通常出勤・通常帰宅。朝、お早うございますと同僚に挨拶して、席に着き、時間になったら、問題解説の講義をしに教室に出向く。淡々して、すべていつもと同じ。昔は、もうちょっと、これで一区切りだ、という嬉しさがあったのだが……。
 以前と違うのは、一部の職員室に冷房が入って、職場なんかに居れたもんじゃないという事態がなくなったこと。前は日中40度近くになった。私は、運悪く、去年、クーラーなしの部屋だったので、ほどんど「労働基準法」違反を承知で働かされている悪徳企業の従業員のような気分であった。今年度はセーフ。
 
 補習は「現代文」担当なので、毎日、評論、小説を1題ずつ解いていく。小説は、阿部昭「おふくろ」、加藤幸子「池辺の棲家」、黒井千次「手紙の来た家」など。どう説明するかという仕事の部分が後に控えているので、少し負担感はあるが、それでも、楽しみながら読んでいける。皆、巧いものである。老親の面倒を見るため故郷に戻った夫と、家に残る妻とのやりとり(加藤)。老いた親に同居を申し込まれ、妻に切り出すのをためらって言い遅れた夫と妻の会話(黒井)。高校生より、私たちの世代のほうが、よほど身につまされる。
  それに較べて、というとなんだが、評論は辛い。読んでいくと、例えば、「前近代」と「近代」を比較し、その相違を指摘、「近代」が露呈した問題点を取り上げ、未来に警鐘を鳴らしているパターンだなどと、流れが見えてしまう。以前は、各時代の違いのみを強調していたが、近年は、その地続き性を強調している場合が多い、この文章も、そのニュアンスを少し感ずるな、なんていうトレンドもバレバレ。
  こっちにしたら、だから、全然、新鮮な文章ではない。だが、生徒にとっては、その分野の基礎知識がないので、どんな文章でも、難しく、かつ卓見に映る。初めての経験は、何にせよ新鮮なものである。
 それだけなら、こっちも我慢しよう。一番困るのは、言い方が小難しくて、何言っているのか、作者の語彙に、こっちが付き合わねばならない文章の場合である。
「人々は伝統的なコスモロジーのもとで、それなりに調和的に生きることができた」(木村洋二)
 宇宙論? こんな片仮名ないほうが余程いい。「人々は伝統のもとで〜」で充分。これ、すごく分かりやすいほうの例である。
 よく言われていることを、わざわざ小難しく、オレ流の言い方で書いてあるとしか思えない文章を、一所懸命、読解し、それをかみ砕いて、分かりやすく説明しているこっちの阿呆臭ささ加減を考えても見て下さい。
 やったことないけど、私が、その文章を翻訳して、高校生にもよく分かる文章に仕立てなおしましょうかと言いたくなる気分である。
 高校現代国語教師、どうですか、やってみたいですか? 
 
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