ものぐさ 徒然なるままに日々の断想を綴る『徒然草』ならぬ「ものぐさ」です。
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2005年04月28日 :: 列車脱線事故に思う2 塩野七生の随筆と「電車でゴー」を思い出す |
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昨日の中日新聞のコラム「中日春秋」は、脱線事故についての話題で、塩野七生のエッセイ「ナポリターノ」が紹介されていた。十数年前、教科書に載っていて、何年間か生徒に教えた文章で、隅から隅まで何が書いてあるかよく覚えている。確か三省堂で大判の判型だった。懐かしい。 イタリアの鉄道は時間にいい加減だが、日本の鉄道は2分遅れても、謝罪の放送が入るくらいで、すべてが正確。しかし、「きちんとすべてがうまくいっているうちはよいが、ひとつがダメになると全体が崩壊」してしまうのがわれわれ日本人ではないかと指摘している。 戦争中、日本軍人として捕虜になることはあってはならない事態であるとして、捕虜になった後の教育を施さなかった。悪しき精神主義である。このため、一度捕まった者は、どうせ日本に戻っても厳罰が待っているからと、ぺらぺら軍事機密をしゃべって、米軍を訝らせたという。それが本当の情報か疑ったのある。 塩野のフレーズから、昔読んだこの戦争中の話を思い出した。1分半にあくせくしたあげく、大事故につながった今度の事故も、過失ではあるが日本人のこの特色がでているのではないか。コラムも同様の論調であった。あんなに何度も読んだ短文である。私のほうが先に気づくべきだった、やられたという感じ。この塩野の指摘を見つけてきたコラム氏の眼力に敬服する。
「車は急に止まらない」というが、全然止まらないのは、電車のほうである。以前、オマケで「電車でゴー」というゲームソフトの体験版が手に入ったので、それをインストールして、楽しんだことがある。 電車は、レールの上を走っているだけ。ハンドル操作がない。車より自由度がない分、運転は簡単なように思えたのだが、とんでもなかった。何分、巨大で相当な重量である。一両30トンとかいうそうだから、10両編成で300トン。車約300台分である。まず、駅を発車するとき、フルパワーかけても、全然するすると動かない。じわーっとスタート。もういいというかなり前にパワーをおとしてやらないと、予定速度を超えてもスピードはどんどんあがっていく。 逆に、下り勾配になると、適宜、ブレーキをかけて、常に制御下においておかないと、とんでもなく勢いがついて、慌ててブレーキをかけても、焼け石に水状態。ブレーキは滑るだけ、おいそれと止まらない。常に事前事前の操作が必要なのであった。つまり、「慣性の法則」とかいうやつである。 駅の停車ラインにしっかりとまるなんていうのは、ちょっとの練習では絶対に無理。手前で止まってしまって、再度、パワーをかけるやら、オーバーランして、急ブレーキをかけて、中の乗客が転倒するやら、ボロボロであった。これで、初級版だという。 JRによると、オーバーランは、各社、月に数件の割合で起きているという。地元西金沢駅でも、昨日、あったそうで、これも、新人研修中の出来事だったそうな。 夫婦二人とも、列車の運転がいかに大変か、このソフトでよくわかっていたので、今回の事故のことをお互い話しながら、夫婦の頭の中は、常に「電車でゴー」ソフトが動いていたことが、今日になって判明した。 大事故に対する感想としては、実に不謹慎である。 だが、大都市の通勤人と違って、めったに電車に乗らず、電車正面の流れる景色を、実景としてほとんど眺めたことのない地方人には、仕方がない連想かもしれない。今回のこの話題は、脱線ということで許して頂きたい……。
(亡くなられた方のご冥福を心からお祈り申し上げます。)
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